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卒業研究発表

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当研究室が属している機械知能・航空工学科量子サイエンスコースでは卒業研究が卒業要件となっています1。また、卒業研究の総まとめ2として、概ね2月の中旬に卒業研究発表会というものがあり、卒論生はそこで自分の卒業研究の内容を他の学生及び教員の前で発表することが求められます。本ページにおいては、卒論発表に関する当研究室の具体的な指示・指導内容をまとめておきます。尚、当研究室における卒論そのものにおける指導方針はこちら

【重要事項】

やったことの全てを発表しようとしないこと

受講生が理解できるか気にせず分厚い教科書を指定してひたすら大量の板書を続ける教員に殺意を感じたことは1回や2回ではないはずです。卒論発表会における各人の発表時間は15分程度ですので、やったことをすべて発表するには、普通は時間が足りませんし、そもそもプレゼンテーションとは内容の多寡を競うものではありません。重要な点だけを、その根拠と共に、ポイントを絞って聴衆に伝わるように説明してください3

持ち時間厳守のこと

授業時間が終わっているにもかかわらず長々と説明を続ける教員に殺意を感じたことは1回や2回ではないはずです。聴衆は皆さんのプレゼンが聞きたくてたまらないわけでは全くありません4。発表時間を超過するというのはそれだけで聴衆の大半に超悪印象を与えてしまうことをまずは理解してください。大体持ち時間±30秒5くらいが限度です6

理解しているものだけを発表すること

自分が理解しており、説明ができる内容のみを発表してください7。発表スライドに書かれていることは全て、「それはどういう意味ですか」という質問に対して答えられなければなりません。 先輩のスライドを内容も分からずそのままコピーなんてのは厳禁。

べからず集には目を通すこと

発表資料作成に関するべからず集はこちら。発表そのものに関するべからず集はこちら。明らかな地雷を踏まないこと。

【「背景」について】

適切な枚数にすること

最初の数枚程度は研究背景に関するスライドとするべきです。多すぎても少なすぎてもいけません(卒業研究発表であれば通常3~4枚程度と思います)。ここで重要なのは、本研究の重要性を主張し、次の研究目的をすんなりと聴衆に受け入れてもらうことです8。なので、1枚目は誰でも理解・納得するような背景を出し、そこから徐々に自分が実際に取り組んだ課題の重要性へとフォーカスしていくような構成としなければなりません。

自身の研究の位置づけを明確にすること

よくある間違いは、明らかに卒論の範囲を超える大きな目標を述べたのち、即自身の研究の必要性に関しての説明に移ってしまうというものです。1枚目では聴衆9の誰もが同意するような大きな目標や課題を述べるべきですが、通常卒論でそのような大きなことできるわけではありません10。なので、「非常に大きな目的」→「その目的の達成のために重要である事柄」→「その事柄の解決において未解決の事柄(=卒論でやること)の重要性」のように説明をしなければいけません11

適切に関連研究の引用を行うこと

どうなるか全く予想もつかないテーマを卒論として与えるわけにもいきませんので、ある程度見込みがある、端的には研究室におけるそれまでの蓄積の延長上にあるものが卒論テーマとなるのが大半だと思います。が、研究発表なのですから、背景で研究室のこれまでの研究活動だけを説明するのは極めて不適切です。近年他のグループからどのような研究発表がなされているのかも踏まえて、取り組んだ課題の重要性を主張するようにしてください12

【「目的」について】

論文であれば目的は緒言に含まれるものですが、プレゼンにおいては、この研究の目的は何か、ということを聴衆に明瞭に伝えることは極めて重要です。なので、目的は1枚の独立したスライドとしてください。ただ、目的を述べるだけだとスカスカになってしまうので、目的を簡潔に述べ、その下に具体的な実施項目を箇条書きするという形をおすすめします。当然それらの実施項目を行うことで目的が達成される、ということがすんなり受け入れてもらえるようになっていないといけません13

【「手法」について】

聴衆がわかるようにまとめること

手法の説明は何ををどのようにやったか、が聴衆にわかるように、ということです。上述のとおり当コースでは他の卒論生が主たる聴衆ですので、他の卒論生が大体わかるように、端的には卒業研究を始めた時点での自分でも大体わかるような説明をしなければなりません。その分野の人なら知っていて当然というものであっても、卒業研究発表ではある程度は説明する14ようにしてください15

あまり細かいところまで説明しようと思わないこと

どうせわかってもらえませんし、興味も持ってもらえません。自分が実際に何をどうやったということなので説明しやすいのですが、ほどほどにしておきましょう。細かいパラメータなどは表にまとめて、「このように設定いたしました」の一言で片づけてしまうのも手です16

【「結論(まとめ)」について】

何をやって何が得られた、だから何が言える、ということを「目的」と対応付けて簡潔に述べてください。発表時間に余裕があるならばスライドを読み上げてもいいですが、そうでないならば「本研究の結論はこのようなものです」とだけ述べて発表を終わらせるのもありです(ので、このスライドに限っては聴衆に読ませることを前提として作るものありです)。


  1. 具体的な内容、分量などは研究室によりけりですが、4年次後半(第8セメスター)はほぼ100%卒業研究に集中するというのが普通かと思います。
  2. もちろん卒論執筆もありますので、発表が全てというわけではありません。
  3. プレゼン準備においては何を削るかがむしろ難しいのです。
  4. むしろ早く終われと思っているはずです。本当のところ。
  5. なら短い分にはいいじゃないと思うかもしれませんが、それはそれでまずいわけです。
  6. 厳しいと思うかもしれませんが、実のところ当研究室の卒論以上でこれを満たせていないことはまずありません。なのでやればできるのです。
  7. 本当はわかっていないことをわかったふりをして発表することも重要なスキルですが、そういったことはもうちょっと年を取ってからでいいと思います。
  8. 研究論文でも同じですね。
  9. あえて聴衆と書きましたが、卒論発表会においては他の卒論生だと思われます。
  10. 多数が参加する大きなプロジェクトの発表ではなく、あくまで自分の卒論の発表なのです。
  11. 場合によっては2つ目が複数個あるかもしれません。
  12. それってもうやられているだろ、というのは研究活動にとっての死刑宣告ですので。もっとも卒論テーマを与えるのは教員の役割である以上、卒論発表会でそこまで求めるのはやや酷であるのも事実ですが。
  13. わかってもらえる、ということはとても難しいことなのです。
  14. これがおそらく今後の学会発表との大きな違いの一つです。聴衆に応じた説明を、ということだと理解してください。
  15. 一方、学部講義でやっている内容についてぐだぐだと説明してしまうと、一緒にきいている教員の反感を買うことになります。
  16. 一方でその設定値に大きな意味があるのであれば、そこはしっかりと強調するべきです。

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