例によってよいことは続く1ということか、2日連続での受理通知が参りました。今回はエネルギー環境教育学会誌に投稿した「エネルギーベストミックス学習のためのボードゲーム開発」という論文です。
今回の論文はこれまたこれまでの当研究室の論文とはがらっと毛色が違っておりまして、エネルギーのベストミックスを学ぶためのボードゲーム開発の報告とその有効性の検証というものです2 。ゲームの内容は、発電設備を買って、発電資源を買って、発電して、国を発展させて、というもので、よくあるんじゃないといえばその通りなのですが、色々なデータ等はかなり現実的な値としており、それなりにゲームとして楽しめつつエネルギー(電源ですが)についても学べるというものです3。テストプレイとバランス調整は、正直大変でした。
ゲームはこんな感じ4。全体ルールもそうですが各種数値の調整が大変で、完成に至るまでには名刺カードを大量に使いました。
資源は石炭、石油、ガス、ウランの4種類があり、異なった色のサイコロで表されています。基本的に、石炭、ウランは安価かつ潤沢、石油、ガスは価格変動が大きくまた特に石油は国際情勢の影響を大きく受けるという特徴があります。
ゲーム中のお金にはこのAmazonで散々探し回ってようやく見つけたチップを使っています。単位億円。
こちらは某先生にデザインを絶賛された借金札。借りた瞬間に利子100%がつくという仕様ですが、20年くらいの期間での返済ということを考えると良心的な利率、のはず。
尚、共著者の浜田先生5と初めてお会いしたのはタイのSIIT。専攻の命を受けて東南アジアの大学に飛び込み営業に行っていたのがこういう論文発表に繋がるとは、世の中わからないものです。
論文の概要は以下。
題目:エネルギーベストミックス学習のためのボードゲーム開発
要旨: エネルギー環境教育における重要な課題の一つと位置付けられているエネルギーのベストミックスについて学ぶための4人用ボードゲームを開発した.当該ボードゲームでは各プレイヤーはある国の電力供給を担う最高責任者となり,発電設備と資源を用いて発電し,必要量の電力を供給することで自国を発展させることを目的とする.発展と共に必要電力も上昇するが,資源価格の変動や発電に伴う温室効果ガス排出量の制限,そして特定の発電設備が有利/不利になるランダムイベント等があるため,各電源の特徴を考慮した上での選択が必要となるという特徴を有している.最終的に自国を最も発展させたプレイヤーが勝利者となる.ゲーム未経験者12名による評価結果は,当該ボードゲームは市販のボードゲームと同程度のゲーム性を有しつつも,電源特性及びそれを踏まえたエネルギーミックスの理解のために有効であると考えられるとのものであった.
- 逆もまた然り
- 論文にて述べておりますように、本ゲーム最新版の詳細ルールブックなどは無償で提供させていただきます。ご興味のある方はご連絡ください。
- その後東工大の近藤先生が核融合炉を題材としたボードゲームを開発されたことを知りました。
- 論文の時のものからはアップデートされた版ですが。
- 現旭川高専。ビジネスゲームをご専門にされていらっしゃいます。