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分野横断セミナー

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当研究室が属している量子エネルギー工学専攻においては、修士課程の学生は基本的に入学後約1年の時点で「分野横断セミナー」に参加し、修士研究に向けての準備状況を発表することが求められます1

この分野横断セミナーにおける発表において問われるのは、その時点での成果の多寡ではなく、研究の背景や目的を十分に理解しており、これから行うことが明確化されているか否か、つまり約1年後に修士研究がまとまるという見込みが十分にあるのかです。また、発表には専攻の教授は同席せず、そのかわりに、アドバイザー教員としてアサインされる専攻内他研究室の3名の准教授、講師、助教の先生が今後に向けた助言を行うことになっています2

当研究室における修士研究指導の雰囲気を知ってもらうためにも、当研究室における分野横断セミナー(における発表)の指示・指導内容をここにまとめておきます。尚、プレゼンテーションに対する当研究室の基本的な考え方はここここここあたりにまとめています。

分野横断セミナーの位置づけを理解すること。

上述のように、分野横断セミナーで求められているのはその時点での成果ではなく、修士研究の目的や背景が十分に理解できているか、またこれからの計画の妥当性3です。

学部で求められる発表レベルは超えていること。

大学院教育は学部卒業を前提としています。ので、研修I,II卒業研究発表にて要求されているレベルは超えていなければいけません。発表したことないんです4、だからめちゃめちゃかもしれませんけど通してください、は無し。

適切な構成とすること。

これまでの成果よりもこれからの計画が重要ですので、卒論や学会発表のような構成での発表は適切ではありません。基本的には[背景]-[目的]-[これまでの成果]-[今後の計画]のようにしてください。

「背景」における研究成果と「これまでの成果」を明確に分けること。

「背景」は自身の修士研究の背景です。そのため、自身の研究成果であっても、それが修士研究に着手する前の時点で得られていたものであるならば、「これまでの成果」ではなく「背景」に含める必要があります5。「これまでの成果」はあくまで自身が大学院入院後に出した成果のみとしてください。

「これまでの成果」の説明に時間をかけすぎないこと。

上述のように、分野横断セミナーでは成果そのものではなく、修士研究全体像の説明が主です。結果の説明に時間をかけすぎないように、たくさん結果がある場合でも発表に使う結果は厳選してください。

どの様な人を対象とした発表なのかを理解すること。

分野横断セミナーにおいては、「同じ分野の専門家」ではなく「分野は異なるが工学に関する研究について十分な経験を有する人」を対象として発表を行うこととなっています。なので、ある意味誰6が聞いても内容の合理性が伝わるようにしてください7

何がどこまでできているのかを明確にすること。

最終的に何をどこまでやるのか、現時点でどこまでできていて、これから何に取り組むのか、を明瞭に示してください8。具体的なところについては現在準備中、ということでも結構です。

今後の計画はそれなりのものを出すこと。

分野横断セミナーの時点で、これからいつまでに何をどうやるかが全て明確になっているということは普通なく、M1後半~M2前半くらいはかなりの試行錯誤が繰り返されるのが常です。なので、「今後の計画」は今後変更もありうるという前提で結構です。ただし、「どうやるか」が必ずしも明確ではないのはいいのですが、「何をやるか9」が明確ではないのはいけません。それなりのものを出すようにしてください1011

準備・練習には十分に時間をかけること。

今後の修士研究の方向に係るものですので、学会発表以上に準備と練習に時間をかける必要があります。これまで以上に研究室内で議論するようにしてください12


  1. 博士課程の学生も分野横断セミナーへの参加が推奨されていますが、専攻としては必須ではありません。が、当研究室としては推奨しています。
  2. R2年度現在。今後変更の可能性もあります。
  3. もちろん研究なのですから計画通りいかない可能性が少なからずある、ということはアドバイザー教員も十分に理解しています。そのうえで、例えばそいういった目的ならばまずこっちをやるべきじゃやないのか、といった話になるわけです。
  4. 当研究室においてはM1の間にまず間違いなく学会発表の機会がありますが。
  5. 端的には自身の卒業研究に関するものは「これまでの成果」ではなく「背景」に含めるということです。
  6. というのは言い過ぎですが、あるテーマに関する学会での発表とは異なるということです。
  7. つまり、必ずしも細かい数値を議論する必要は無いということです。結果として、詳細はばさっと落とすという判断もありうると思います。
  8. ガントチャートを使うなどして
  9. 表現が難しいですが、修士研究の最終的な目的の達成のために、いくつか具体的にやる必要がある事柄という意味での「何をやるか」です
  10. とはいいつつ、研究の進展によってはこの「何をやるか」も変わりうるのですが。
  11. 尚、修士研究審査会においては、中間審査で「最終審査までにこれをやります」と約束したことは、かならずそれをやって、結果を最終審査で必ず報告しなければなりません(中間審査の合格はそれをやるという前提です)。なので、できないことを約束してはいけません。
  12. 何をやるか、どうやるかというところを考える(提案する)ということも、修士研究における重要な要素と位置付けています。

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