こんにちは、M1の岩永です。前回の記事でお伝えしたように春休み前半で中国の西安(昔の長安)へ行ってきました。折角シルクロードの起点である長安まで行ったので、ついでにシルクロード終点のイスタンブールまで陸路で行ってみようと思い3週間ほどかけて弾丸でシルクロードを横断してきました。去年の旅行記事同様こちらも完全プライベートな旅行で一切アカデミックな内容ではありませんのでご注意ください。1

ではまず中央アジアの旅に関する情報、特に国境越えに関する情報は少ないため、シルクロード横断旅行を考えている人の為に参考となる(であろう)情報を記しておきます。以下の情報は2025年3月下旬における情報なので注意してください。私が計画した旅程は以下の通りです。
ビシュケク(キルギス)→タシケント(ウズベキスタン)→ホジェンド(タジキスタン)→パンジケント→サマルカンド(ウズ)→ヌクス→アクタウ(カザフスタン)→カスピ海横断フェリー→バクー(アゼルバイジャン)→トビリシ(ジョージア)→バトゥミ→カルス(トルコ)→アンカラ→イスタンブール

後ほど述べますが諸事情によりジョージア横断およびフェリーによるカスピ海横断は断念しました。それでは各地点における最新の情報と注意点です。
中央アジア全域
・国境に関する最新の情報を確認しましょう
案外サックと閉めています。国境が閉められていた場合、予想外の出費と時間のロスを強いられます。事前にネットで調べる、もしくは現地の日本大使館にメールをして確認してもらうのを推奨します。2
・ラマダーン(断食)の時期かどうか確認しましょう
今回言った国のほとんどがイスラム圏です。ラマダーン中だからと言って観光客も断食をしなければならないなんてことは全くなく、自由に飲食できるため食事に関しては心配しなくて大丈夫です。しかし日没後(7時以降)にはレストランの席が現地の方の予約によりどこも空いてなかったり、ラマダーン終了後の3日間(イード・アル=フィトル)は店が全て閉まったりする(バザール含め)ため注意が必要です。特にイード・アル=フィトルにおいては店が一部開いていても大抵は観光客向けで高額かつ公共交通機関が無料になり、現地の方で爆混みするため可能であればこの3日間での観光は避けた方がいいでしょう。

ビシュケク~タシケント
ビシュケクからタシケントまでは夜行バスが出ています。しかし「ビシュケク タシケント バス」と検索して出てくるバスターミナルは3ヶ月ほど前に閉鎖し、西バスターミナルと東バスターミナルに現在分割されています3。タシケント行きのバスは西、アルマトイ行きは東バスターミナルから出ています(オシュ行きのバスも西バスターミナルで見ました)。値段は2200キルギスソム(×1.7円)、所要時間は12時間でした。現地の人はネット予約できるらしいですが、海外からだとどうもできないようです。当日チケットを買っている方もいましたが前日買うことをオススメします。休憩時間は5分ほどの短い休憩時間が2回ほどしかありません。カザフスタンを経由して行くため夜に2回起こされカザフスタンに入国、そして出国をしますが想像より快適で割と寝られました。
タシケントのバスターミナルに両替店、SIM店はありますが9時にならないと開かないようでした。表出口付近に100ドルのみ両替可能なATMがありましたのでそちらで両替をしました。レートは悪くありません。4




タシケント~ホジェンド
乗り合いタクシーで行きました。クイリクバザールまで行くと「オーベック!」やら「ベガバード!」と叫んでいるおっちゃんがたくさんいるので「タジキスタン・タモジーニャ(国境)、オーベック」と伝え、一番安い値段を提示してくれた人のタクシーで国境まで連れて行ってもらいました。8万スム(×0.012円)で行けました。オーベックまで行くと自分で国境を越えます。オーベックからホジェンドへタクシーを使って150ソモニ(×13円)ほどで行けます。5国境側には両替店はおろか野良両替商もいないためホジェンド中心部の銀行まで連れて行ってもらい両替をしました。計算するとわかりますが比較的コスパが悪いです。バスがあるらしいので時間に余裕のあるかたはバスで行った方がいいと思います。6ただクイリクバザールは人が多くカオスな場所だった7のでバスがどこにあるのかさっぱり見当もつきませんでした。


ホジェンド~パンジケント
こちらも乗り合いタクシーです。初め200ソモニと言われましたが交渉すると150ソモニ(×13円)で行けました。大体4時間ほど。ここで注意しておきたいのが「パンジケント」だけ言うとパンジケント中心地から20kmほど離れた国境まで連れて行かれることです。パンジケント観光をしたい人は「ニェット・タジモーニャ(Not border)、パンジケント・バザール」などと事前に言っておきましょう。トラブルのもとになります。8
パンジケント~サマルカンド
15ソモニでパンジケント中心地から国境までいけます。国境からサマルカンドまでは乗り合いタクシーで確か5万ソム(×0.012円)ほどで行った気がします。(メモし忘れたため覚えていない)
サマルカンド~ヌクス
サマルカンド駅から列車が出ており12時間で着きます。駅に行って直接買うことも可能ですが”Uzrailways tickets”というアプリでの購入がおすすめです。1等~3等席まであります。3等席のベッドを選ぶと列車が動いている間は列車からの熱によりサウナ状態、窓を開けると寒い上に砂漠からの砂が入ってくるという地獄を味わうことになるため、2等席のコスパが一番いいです。




ヌクス~アクタウ~バクー(カスピ海横断フェリー)
今回ヌクス~アクタウ間の国境が工事の影響で封鎖されていたためこちらのルートは行けなかったのですが事前に調べていた情報をまとめます。
上記のUzrailways ticketsではヌクス~アクタウ間の国際列車は予約できず、直接駅に行って購入するしかないようです。また駅の人に言う場合は「アクタウ」ではなく「マンギスタウ」と言わないとチケットが買えないため注意が必要です。
アクタウ~バクー間のカスピ海横断フェリーに関する情報はこちらの情報掲示板が参考になります。最新の投稿によるとフェリーは毎日運行しているようです。このとき、おそらくビザの取得が事前に必要になるため注意してください。9
バクー~トビリシ~バトゥミ~カルス
アゼルバイジャンが陸路国境を封鎖していたため10こちらも通行できていませんが事前に調べていた情報と現地での情報をまとめます。
バクー~トビリシ間の列車は運航していませんでしたがバクー~シェキ間の列車は運行していました。値段は日によって変動するようで、自分が聞いたときは22マナト(×89円)でした。
シェキ経由でジョージアへ行く場合、シェキからバラカンまでバスで行き、国境を越えジョージアのラゴデヒまで行った後、シグナギ経由でトビリシに行けるようです。その後トビリシからバトゥミまで列車で行った後、バスを駆使してカルスまで行けると思います。
カルス~アンカラ
カルスからアンカラはイースタンエクスプレスという寝台列車が出ています。予約はこちらからできます。26時間ほどかかりますが720リラ(×4円)とリーズナブルです。
アンカラ~イスタンブール
高速列車があるようですがバスの方が安い上、時間も2時間ほどしか変わらないためバスで行きました。バスターミナルが巨大なのでバスターミナルでの直接購入はかなり困難です。代わりに“obilet”というアプリがオススメです。一部バス会社の仕様だとトルコ人しか購入できないようになっていたため、宿で仲良くなった方に代わりに購入してもらいましたがチケットの確認は一切されませんでした。
バスターミナルにモニターがあり出発するバスの情報が記載されていますが信用せず11人に聞くのが確実です。



それでは長くなりましたが以下各都市の様子とエピソードです。
トランジットの仁川空港でダウンジャケットをスラれるところから旅行はスタート。幸先のいい滑り出しとなりました。結果として中央アジアは暖かくダウンジャケットは必要なかったので断捨離できたとポジティブに考え12、暇だったのでトランジットツアーに参加しました(仁川での待機時間が20時間もあり暇だったので)。




こちらはキルギス、ビシュケク。運転は荒かったですがとてもキレイな街でした。また日本人と会わないと思っていましたが計7名の日本人と会いました。案外いるものですね。



こちらはШаурма(発音はシャルマーだと思います)。中央アジア全域にあるファーストフードでひき肉や野菜をトルティーヤで包んだ中央アジア版ブリトーで無難においしいです。ちなみにこの写真を撮った店にて何故か警察官が若い女性を取り調べていました。そしてさらにお客さんのおっちゃんが何故かその警察官にチャチャを入れてました。その時自分は鼻から出血してました。


こちらはウズベキスタン、タシケント。ウズベキスタンについてあまりイメージがないかもしれませんが1.食事がおいしいうえに安い 2.交通機関が発達している(地下鉄は4路線もあるうえ40円ほどですし高速鉄道もあります) 3.天気がいい 4.人が優しい 5.バザール行けばなんでも買えるし安い などの理由からウズベキスタンは今回一番おすすめしたい国となりました。




こちらはタジキスタンの山々です。タジキスタンは雄大な自然を感じることができてよかったのですが、この山道をスマホで電話しながら片手で運転するのだけは勘弁してほしかったです。




青の都、サマルカンドです。観光名所なだけあって見るものには困らなかったですが人が多いのが難点でした。




アゼルバイジャン、バクー。カスピ海は本当に海のように塩っぽいのか試したく、カスピ海の水を飲める場所を探しましたが見つかりませんでした。(10kmほどカスピ海周囲を歩きましたが、カスピ海の水には触れませんでした)街自体は全体的にヨーロッパ風の建物でした。宿で仲良くなった人は「ここは清潔なヨーロッパだ」と言っていましたが、納得できるほどきれいな街でした(清掃作業員が至る所にいた)。




中央アジア人はチョコレートが大好きなようです13。至る所でチョコレートがこのような量り売り方式で売られていました。


今回の旅の最終地点イスタンブールにて。片方がヨーロッパ大陸、もう片方がアジア大陸だと思ってこのポーズをとったのですがどちらともヨーロッパ大陸でした。恥ずかしい。

某演技が上手な暗殺者に似ている人から声を掛けられたと思ったら絨毯売りの方でした。そのあと話してみるといい人だった14ので実家のお土産としてトルコで有名な絨毯を購入。


西安に行ったついでに敢行した卒業旅行ですが古より多様性、多文化共生を実現していたシルクロードを旅行できたのは興味深い体験ができ有意義な経験となりました。昨今、何かと話題になっている多様性、多文化共生について考えることができたのは貴重でかつ、今後重要となっていく機会になったと思います。
今回はアゼルバイジャンなど一部国境が封鎖されていたため全工程を行くことはできなかったのですがまたいい機会があれば一部だけでもチャレンジしたいですね。
- というか私が今まで書いた記事でアカデミックな内容はほぼ無いのですが ↩︎
- とか言いつつ在ウズベキスタン大使館も国境の封鎖を把握していなかったので、この辺はまぁ運だと思います。 ↩︎
- この情報を得るためビシュケク市内のバスターミナルを4箇所巡る羽目になりました ↩︎
- 客引きをしているおっちゃんに聞くと野良の両替商を召喚してくれますがレートはあまりよくありませんでした ↩︎
- 初っ端300ソモニとか言ってきやがりますが ↩︎
- タクシーは交渉もめんどくさいですし ↩︎
- クイリクバザールの駐車場でおっちゃんがバザール商品であろう活きの良い魚を靴で踏み殺していました ↩︎
- 自分は国境まで連れてこられた挙げ句、「バザールまで戻るなら追加で100ソモニ払え」と言われ運転手にブチ切れる羽目になりました。(インスタを交換して仲良くなった隣の方が運転手を説得してくれたおかげでなんとかタダで戻れたものの相当焦りました ↩︎
- なお空路で行く際は空港にて無料のアライバルビザが取得できるため、港にてアライバルビザが取得できる可能性もありますが不明です ↩︎
- 理由はコロナの感染拡大防止となっています ↩︎
- モニターに表示されるCMが長い上、自分のバスがどこにも表示されていませんでした。その上出発するホームも変わっていました。同じバスに乗る現地の方を見つけ付いていくのがベストです。 ↩︎
- さすがに空港職員には連絡しましたが残念ながら見つかりませんでした ↩︎
- 宗教的にアルコールが飲めないからでしょうか ↩︎
- この見た目で悪い人ということはないでしょう ↩︎