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ラボノートについて

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ラボノートとは実験ノートとも呼ばれ、自身の研究に関する詳細を記録する1ためのノートです。ラボノートの書き方は分野/研究室により大きく異なり2 ますが、とりあえず当研究室としてのラボノート3に関する基本的なルールをまとめておきます4

研究室から支給されるノートを使うこと。

例えばルーズリーフのように各ページ取り外しができるものはラボノートとして不適です。ラボノートは研究室から支給しています。自分で購入する必要はありませんので、研究室から支給されたものを使ってください5。また、修論が終わるころにはラボノート数冊になっているはずですので、ノートの表紙には名前に加えて使用期間(何時から何時までの情報が書かれているのか)を明記して、ノートの時系列がすぐわかるようにしてください6

日本語か英語で書くこと。

研究室メンバーの大半が理解できる言語で書いてください。そのような意味では本来は英語でとするべきなのでしょうが、それによって日本人学生の効率が低下してしまうと本末転倒なので、日本語もしくは英語とします。

鉛筆不可&日付必須。

ラボノートは、いつ何をどうやったということが明瞭に書かれていることが大前提です。なので、鉛筆ではなくペンを使い、またその日の日付から書き始めるようにしてください。

修正は取り消し線で。追記は日付もつけて。

何か修正があった場合には、修正液で塗りつぶしたりページごと破いたりするのではなく、そこに何が書いてあったのかがわかるように、取り消し線で修正してください7。また、後日何か情報を追加する場合には、その情報がいつ追加されたものなのかがわかるようにしてください(追記の後に括弧で日付を書いておくくらいで結構です)。

スタイル自由。ただしすべての条件を記録しておくこと。

特にこのようなスタイルで書けということはありません8 。ただし、実験であればどの装置を使って各種設定値をどのようにしたか、数値解析であればその時の各種条件はどのようなものであって入力ファイルはどこにあるのかなど、過剰と思えるくらいの情報を書いておいてください9。後述するようにラボノートは後輩に引き継がれるものですので、後輩が結果を再現できるように、というのが一応の基準です。

経緯がわかるように書くこと。

最終的に論文としてまとめる際には全体の話を改めて作ることになるわけですが、ラボノートで重要なのは、論文にある結果が出るまでにどのような過程があったか、ということがわかるようにすることです。失敗実験についても、なぜ失敗したのかも含めて、書いておいてください。また、簡単な分析結果、自分なりのその時点での方針、今後のスケジュールなども書いておいてください(単にうまく行った実験についての条件とその結果のまとめ、とはならないように)。

絵や写真をフル活用すること。

あとから見直してかなり役立つのはその時の実験や解析の状況です。なので、文字だけではなく、絵や写真を使って情報を残しておくのは非常に有効です10。別に上手な絵である必要は全くありません。何がどうなっていたかがわかる絵であれば十分です。

何となく感じたことなども書いておくこと。

何が原因かというのはその時点ではわからないということが往々にあります。なので、何となくそう感じた、といった主観的なものもラボノートに書いておくことを強く勧めています11

自分の思い付きなども書いてOK。むしろWELCOME。

これはルールとして課すものではありませんが、思い付きやなんとなくの感想、今後の方針について考えることなどもメモって結構です。

後輩への引継ぎ資料という面もあることを理解すること。

ラボノートは個人の研究記録ではありますが、研究そのものは研究室として行っているという面があるため、卒業/修了の際は研究室にラボノートを残していってもらうことにしています12。なので、自分だけのためではなく、後輩のためという意識をもってラボノートを書くようにしてください。

議論の際にはラボノートを持参すること。

研究室会での発表の際や研究について議論する際にはラボノートを持参してください。


  1. &何かの場合に自身の研究結果の正当性を主張する
  2. 実験のたびに指導教員の確認と印をもらわなければならない、という研究室もあります。が、正当なやり方があるわけではないというのも事実です。
  3. ラボノートは研究室から支給します。忘れていたら/足りなくなったら言ってください。
  4. あくまで当研究室において、というものです。なので世間一般ではどうなの、という意味ではこちらとかも参考に。
  5. 年間上限冊数とかはありませんので、ページがなくなったら新しいものをもらってください。
  6. 無論表紙に番号を振ってもかまいません。
  7. 結果的に最初の考えが正しかった、ということも多々ありますので。
  8. 研究室によってはラボノートもIMRADでということもあるようですが、当研究室では特にIMRADである必要はありません。いつ何をどうやって何が得られたのか、ということが明瞭になっていれば基本的にOKです。
  9. 論文よりもずっと詳細に。
  10. 写真の場合はどこにあるどのファイルということをラボノートに書いておいてください。
  11. なんかインキュベータからの風があったかい気がする→インキュベータの温度がおかしかった→なんか妙な結果はそれに起因するものだった、なんてこともあるわけです。
  12. もちろんコピーをもっていってもらうことは構いませんし、場合によっては当人が原本で研究室はコピーということもあるかもしれません。

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