就職/進路に関するFAQです。就職に関しては実際には様々な事情及び何よりも個人の能力と資質1に大きく依存するので、就職先を確約するとかそういったものではありません。あくまで一般論、可能性、と認識ください。また、ここにあるのはあくまで当研究室としての考え方です2。
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就職/進路関係のサポートはありますか。
量子エネルギー工学専攻では担当教授が各人と複数回の面接を行った上で懇切丁寧な進路指導をしています(すごいですね)。そのため、当研究室配属者は就職に有利/不利ということはありません3 。
就職先としてどんな業界/会社があるのでしょうか。
上述の理由により、このような就職先がありますというのは必ずしも適切ではありません(専攻推薦のリストといういみでは専攻にありますが、もちろん毎年変わるはずです)。ただ、量子エネルギー工学専攻ウェブサイトにある先輩の進路はある程度参考になるとは思います。
やっぱり就職先は原子力関係に限定されるのでしょうか。
上記ウェブサイトにあるように、量子の研究室だから就職が原子力関係に限定されるということはありません(実際のところ、放射線利用を含めても原子力関係は半分くらいではないでしょうか)。個人的には当研究室で博士号を取った学生が金融やコンサルに就職したりすると素敵だなとも思います。
博士に進学すると就職不利になるというのは本当ですか。
ある面では不利となり、ある面では有利となる、というのが本当のところではないでしょうか。より端的にはメンバーシップ型雇用の観点からは不利になるけれどもジョブ型雇用の観点からは有利になる4ということと思います。ただし、日本型組織においては能力が同じなら若い方が好まれるというは事実と思いますので、結局のところ博士の3年間をどう過ごすかということになるのだと思います5。ただ、少なくとも当専攻においては博士課程修了者の高学歴ワーキングプア的な話を聞いたことはありません。
博士進学を考えているのですが、気を付けておくことは何でしょうか。
実際にはいろいろとあるでしょうが、何よりも「周囲と自分を比べないこと」でしょうか。自分はまだ学生なのに、ちょっと前まで一緒に馬鹿やっていた友人は就職して結婚して子供もいてマンション買って30年ローンを抱えている、というのを見るのは結構精神的にくるものがあるかもしれません6。尚、当研究室においてはM1の冬くらいまでは博士進学を決めないようにと言っていますので、その点は留意ください。
希望する業種は研究テーマと異なるのですが。
研究活動が教育カリキュラムとして課されているのは、その内容について学ぶというよりもむしろ未解決の問題に対する取組み方を学ぶためであると認識していますし、またそのような観点から学生に対する研究指導を行っています7。採用側もそのような観点から当専攻学生の評価を行っていると思いますので8 、あんまり気にしなくていい9 と思います10。
インターンシップは行くべきなのでしょうか。
任せます。私からは行けとも行くなとも言うつもりはありません。個人的にはが、学生の間に学内ではできない経験をするというのは有意義だと思うのでインターンシップを勧めてはいますが、ただ、インターンシップに行きまくって本来やるべきことをやれていないというのは、本末転倒だと思います。やっぱり院卒だと研究何やっているんですか、ということを通じて先方が応募者評価を行うと思いますので(上述のように業務内容と研究内容のマッチングを見ているわけではないはずです)、インターンシップばかりで研究やってない→就活もうまくいかない、となりかねません。
論文発表や学会発表しておくと就活に有利になるのでしょうか。
基本的には採用側がどう評価するか次第なので我々が何か言えることではないのですが、マイナスの影響を及ぼすということはないものの11、正直そんなに大きなプラス要因にはならないのではないかというのが個人的な意見です。ただ、当研究室で学生の各種外部発表を積極的に行っているのは、短期的な成果や評価のためではなく、将来どんな職に就くにせよそれらを通じて得られる経験やスキルは必ずや有益であると考えているからです。ご理解ください。
希望の会社に就職するためにやっておくべきことはありますか。
特定の会社/業種への就職を目的/前提とした指導は当研究室においては全く行っていません12。少なくとも修士までは、主として研究活動を通じて問題解決能力等を涵養13する、それによりどんな会社からも高く評価される14、ということが本来の筋だと考えています。
- そして運?
- ので、専攻の他の研究室はまた違った考え方であるという可能性は十分にあります。
- ただし、専攻としてはコース配属から修士課程修了までを前提として各種カリキュラムを策定している面がありますので、学部卒及び博士修了者に対してはやや対応が異なる可能性はあります。
- もちろん実際には100%どちらかというわけではないでしょうが。
- 日本においても大学卒でないと応募できない(さらには理系なら修士前提の)会社というのは少なからず存在すると思います。一方で、日本のみならず世界的に高学歴化が進んでいるのは確かなことで、また今後グローバル化が進んでいくということも間違いありません。断定的に将来のことを言うことはできませんが、となると今後グローバル企業においては(研究職ではなくとも)博士号を持っているかで採用時の足切りが行われるようになるという可能性は否定できないと思います。
- 多分に個人的な経験に基づく例かもしれませんが。
- 度合いは異なるとは思いますが、他の研究室も概ねそのようなものだと思います。
- 私の知る範囲でですが、全日空や日本航空に就職した学生の研究テーマは航空に関するものというわけでは全くなかったと思います。
- 流石にバイオとか化学をやりたいのであればなぜほかの研究室を選ばなかったのか、と思われると思いますが。
- 多分採用側としても、これだけ変化が激しく不透明性が高い状況で、学生の時の高々数年の経験がその後も通じるとは思ってないでしょうし。
- もちろん発表準備のためにはそれなりの時間が必要ですので、その分就活の時間が減るという不利益は否定できません。
- 将来大学や研究機関に勤務したいのでそれなりの数の論文を、ということはあります。
- 涵養、とはいいますが一定以下では効果がほとんど期待できないのは筋トレと一緒と思います。
- 終身雇用を前提とできないともう経団連も言ってしまっているので、新卒でどの会社に就職するかということの重要性は今後低下していくのだろうとは思いますが。