研究室配属にかかわるFAQです。当研究室に関する、ということではなく、当コース/専攻における研究室配属関係で学生にとってはわかりづらいところ、についてです1(研究室選びに関してでは一般論を書きましたが、ここではあくまで当研究室が属する東北大学工学部機械知能・航空工学科量子サイエンスコース及び大学院工学研究科量子エネルギー工学専攻に関してのものです)。
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講座と分野って何ですか?
「分野」というのは研究室と同じだと思ってもらって結構です2。多分研究室を指すときに、大学の中の正式な組織図上では分野名、けど普通に使うのは研究室名となるんだと思います。
「講座」というのはいくつかの研究室をグループ化したものです。なので、専攻の中には複数の講座があり、各講座の中には複数の研究室(分野)がある、といった構造です。学生にとってみてはあまり大きな意味は無いので3、まあ気にしなくても結構です。
基幹講座/協力講座って何ですか?
基幹講座というのは工学研究科に所属している教員の研究室、協力講座は工学研究科ではなく研究所に所属している教員4の研究室です。
運営上は色々とありますが、学生にとっては、研究室が青葉山東キャンパスの機械・知能系エリアにあるか5、それとも他のところにあるか6、というのが何よりの違いといったところでしょうか。全体的には基幹講座では教育を、協力講座では研究を重視している7 という傾向はあるはずです。が、研究室ごとの違いが大きいこともあり、基幹講座だからこう、協力講座だからこう、とまでは言えません。
系、専攻、コース、学科はどういう関係があるのですか?
まず、系と専攻は大学院(工学研究科)に係るもので、コースと学科は学部(工学部)に係る用語です。工学部の中に複数の学科があり各学科の中には複数のコースがあるのと同じく、工学研究科の中に複数の系があり各系には複数の専攻がある、というのが基本的な構造です。色々とありますが、大体コースが大学院になると専攻になる、くらいの認識でも間違ってはいないと思います。ただ、学部・学科・コースの関係と比べると専攻はもっと独立性が高いので、運営上はともかく学生としては系という枠はあんまり関係がないかもしれません。
所属が「量子エネルギー工学専攻」ではない教員がいるのはなぜですか?
量子エネルギー工学専攻は工学研究科の下ですので、「工学研究科」所属となっている場合もあります8。一方で、協力講座の先生方は工学研究科所属ではないので、書類9に所属を記載する場合には、「***研究所」のように書かれていると思います。
括弧に囲まれている教員名は何ですか?
「兼任」を意味するものです。基本的には研究室のトップは教授である必要があるのですが、様々な理由で一人の教授が複数の研究室の面倒を見なければならない状況になった場合に、2つ目以降の研究室については兼任という形をとることになります10。
ただ、この兼任の教授がどれくらいその研究室における研究指導及び運営に携わっているかは、完全にケースバイケースです。兼任ではない研究室と一体運営している場合もあると思いますし、何かあった場合には責任をとる、くらいでしかない11場合もあります。実際にその研究室の教員12または学生に聞いてみるしかありません。
各研究室の詳細情報はどこに行けばもらえますか?
広く公開している情報という意味では、専攻のウェブサイトとそこにリンクがはられている各研究室のウェブサイトです。ただし、専攻のウェブサイトにあるのは所属教員とこんな感じの研究をやっているくらいです。より詳細なところは各研究室のウェブサイトにて、なのですが、そちらは別に何か統一されているわけではないので、情報量や更新頻度などは全くまちまちです。
最近Elsevier社のデータベースに基づく13各教員の研究活動成果をまとめたページができました。ので、各教員の研究のもう少し具体的なところについては、そちらの論文題目などを見てもらうとイメージがつかめるかもしれません14。ただし、その研究室ではどのような運営及び研究教育が行われているのか等については、実際には直接その研究室に問い合わせてもらうしかありません15。***について、この研究室はこういうルール、この研究室はこういうルール、といった感じの情報がどこかにまとまっているということは無いと思います。
具体的にどんな研究テーマが与えられるのかはどうすればわかりますか?
非常に難しいところですが、各教員の最近の研究発表や各研究室の学位論文は参考になると思います。一般論ですが、こちらも参考ください。
被引用数とかh-indexとかって何ですか?
上でリンクした東北大学データベースに出てくるものということと思います。被引用数というのはその人がこれまでに発表した論文16が他の論文で引用された回数です。一般的には引用される論文=注目されてた論文ということになりますので、その人の研究成果が注目を集めた度合いということはできると思います。h-indexというのはちょっとややこしくて、N回引用された論文がN報あるとh-indexがNとなる、というものです。たくさん引用されている論文をどれくらいたくさん書いているかという目安の数値と思ってもらって結構です。
両数値とも研究活動をどれくらい活発にやってきたか17の一つの指標ではあります。が、単純に数値の大小で何かを判断するのが必ずしも適切ではないというのもまた確かです。分野が異なれば数値は大きく異なります18し、当然ながら経歴が長い研究者ほど数値は大きくなります19。さらには、論文単位なので必ずしもその人物についての評価ではないですし、また近年論文数自体が急増しているので、同一分野であっても世代が異なると比較自体が困難であったりもします20。なので、学生がこれらの数値に基づいてあの教員は〇、あの教員は×、と判断するのはちょっとまずいなと感じもすることろです。
配属される研究室によって就職有利/不利はあるのですか?
- 説明の都合上、必ずしも厳密ではないものもあります。が、学生の観点からはそのように理解しておいても大きな問題は無い、はずです。また実のところ大学の組織とルールは非常にややこしいので、私も完全には理解していない面が多々あります。
- 例えば当研究室は分野名としては「量子信頼性計測学分野」で、普通に使われる研究室名としては「遊佐研究室」となります。
- 例えばある研究室の教員がいなくなった場合、後任の方が決まるまでは同じ講座の教授がその研究室の面倒を見ることになる、といったことはあるかもしれません。ただその場合もどの教授が代理となるかまではその時にならないとわからないので。
- ややこしいですが、東北大学の組織上、**学研究科と研究所は同レベルにあり、両方に所属は出来ないのです。
- 量子本館と機械・知能系協同棟。ただし青森県六ケ所村にある研究室もあります。
- それにより食生活がどうかわるか。
- 大学である以上教育と研究が基本的なミッションですので、その比率という意味で。
- 実は技術社会システム専攻がメインで量子エネルギー工学専攻は兼任という先生もいらっしゃいますのでこれまたややこしいのですが。
- 論文も含む。
- 基本的には1つの研究室にしか所属できないので。
- 研究室のイベントにも顔を出してくれいない、とか。
- 括弧書きになっていない
- これまでも研究業績データベース自体はあったのですが、その更新は各教員に任せられていたため、必ずしも適切にアップデートされているとは限らないというものでした。一方このElsevier社のものは自動でアップデートがされるようです。一方で同姓同名の複数名のものが混じっているというケースも散見されるようですが。
- 基本英語なのでよくわからない(学生だから、というのもありますが、実際のところ他分野だと教員同士でも単語がわからないというのは普通にあります)と思いますが。
- ウェブサイトにのっけているのは基本いい話だけのはずですので。
- 正確にはそのうち当該データベースに収録されているもの。
- あくまでこれまでに発表した論文に基づく値なので、現時点でやっているか、ではないことに注意。
- 似たことをやっている研究者が多いほど大きくなるのは間違いがありません。が、ということはその分野でトップでなくとも数値は大きくなるということです。
- つまり数値は大きいけれども過去の栄光だけという可能性もあるわけです。
- 端的には現在50歳の教授の10年前の数値は、現在40歳の准教授よりもかなり低いのが普通だと思います。
- 学部又は修士卒を前提としています。