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科学と社会(2013年度)

開講セメスター・単位:1学期1単位、担当教員:本堂 毅 准教授、所属講座等:理学研究科

「科学の不定性と社会」

担当:本堂 毅    ゲスト:平田光司(総合研究大学院大学)

日程と場所

2日間(12/20[金]13:00〜18:30・12/21[土]9:30〜12:00)の集中講義形式です。

12/20・16:30〜の特別講演のポスター
特別講演『科学の不定性と巨大科学−高エネルギー加速器を例に』のPDFへリンク
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12/20(金)
  • 13:00〜16:00
  • 合同A棟204号室
  • ワークショップ@『 トランスサイエンス入門』
  • 16:30〜18:30
  • 共通講義室4(合同A棟303号室)
  • 特別講演『科学の不定性と巨大科学−高エネルギー加速器を例に』
12/21 (土)
  • 9:30〜12:00
  • 合同A棟205号室
  • ワークショップA 『 さまざまなトランスサイエンス』

合同A棟の場所はアクセスページでご確認ください。

授業の目的と概要

日本学術会議の声明「科学者の行動規範について」(2006)は「科学者の責任」で『科学者は、自らが生み出す専門知識や技術の質を担保する責任を有し、さらに自らの専門知識、技術、経験を活かして、人類の健康と福祉、社会の安全と安寧、そして地球環境の持続性に貢献するという責任を有する。』と延べ,「説明と公開」では『科学者は、自らが携わる研究の意義と役割を公開して積極的に説明し、その研究が人間、社会、環境に及ぼし得る影響や起こし得る変化を評価し、その結果を中立性・客観性をもって公表すると共に、社会との建設的な対話を築くように努める。』と述べる.
科学者は科学的不定性(不確実性や多義性など)の高い状況でも,科学的評価を社会に伝えることが求められる場面がある.しかし,理科の授業のように,唯一の正しい答えがある状況ならともかく,不定性が高い状況で私たち科学者は「中立性」や「客観性」をどのような形で保ち,社会との建設的な対話を築きうるのだろうか.

社会には多様な立場や価値判断が存在するため,科学的定量評価が定まる場合でも,様々な社会的判断がありうる(多義性).そこに科学的評価の不確実性が加わるとき,社会との接点での科学者と,それを取り巻く制度は,どのようにあるべきだろうか.

本授業では,ゲストに高エネルギー物理学と科学技術社会論を専門とする平田光司(総合研究大学院大学)さんを招き, 巨大科学での科学の不定性などを題材とし,科学という営みを多面的に捉える視点を得ることで,社会の中での科学の位置づけを理解することを目的とする.

平田光司さんセミナーについて

平田光司さん プロフィール
[総合研究大学院大学
学融合推進センター教授・センター長]

慶応義塾大学工学部卒(計測工学), 筑波大学(素粒子論、理学博士)修了, 高エネルギー物理学研究所(KEK)でTRISTAN、KEKB加速器の理論研究を行う。総合研究大学院大学では大学 院生への総合教育を推進するとともに、科学技術社会論学会の立ち上げに関わる。先導科学研究科では生命系の学生に対する「科学と社会」の副論文(必修)の指導を主に行っている。

概要「科学の不定性と巨大科学 −高エネルギー加速器を例に」

科学の言葉で問うことはできても、科学によって答えることができない問題はトランスサイエンスと呼ばれている。非常に低レベルの放射能による人体影響などがその典型例である。このような問題は科学の問題としては時間をかけて少しでも解明できれば良い。しかし、技術の問題となると、疑問が解明されるまでものを作らない、というわけにはいかない。

ヒッグス粒子を発見したヨーロッパ原子核研究所(CERN)の加速器LHCなど 大型で最先端の装置を作る場合には、 トランスサイエンス的な不定性が現れることが多い。日本で建設され、小林、益川のノーベル賞受賞に貢献したKEKB加速器を例として、設計の段階で現れる不定性と、それへの対処法について考える。

本セミナーは大学院生のみならず教職員も含めたすべての方を対象にしたものです。どなたでも聴講可能です。

学習の到達目標

授業内容・方法と進度予定

集中講義形式:12月20日(金)午後から21日(土)午前に平田氏のセミナーを含む集中講義を開催する

授業を踏まえて,各自が論点を考察しレポートを提出する.

教科書・参考書

  1. 「専門知と公共性」藤垣裕子(東京大学出版会,2003)
  2. 「科学技術社会論の技法」藤垣裕子 編,(東京大学出版会,2005)
  3. 吉澤剛,中島貴子,本堂 毅: 「科学技術の不定性と社会的意思決定---リスク・不確実性・多義性・無知」科学(岩波書店)2012年7月号
  4. Andy Stirling: 「Keep it complex」, Nature 468:1029-1031 (2010)
  5. 平田光司:「ファインマンが見た巨大装置の安全性」, 科学(岩波書店)2011年9月号

成績評価の方法

授業参加,及びレポート

参考

2012年度(ゲスト 中島貴子先生)の「科学と社会」

質問など

履修に関する質問は、本堂 hondou(アットマーク)mail.sci.tohoku.ac.jp まで。

セミナーのあとに、懇親会を予定しています。
懇親会への参加、不参加は自由です。
参加希望者は事前にhondou(アットマーク)mail.sci.tohoku.ac.jpまでご連絡お願いします。