2011年度の記録です。2013年度については、こちらの2013科学コミュニケーションを参照。
科学コミュニケーション(2011年度)
「社会における科学と社会のための科学」を考える(ゲスト:尾内隆之先生 )
東日本大震災を機に,社会における科学や科学者の役割に,社会的関心や懸念が高まっています.
「社会における科学と社会のための科学」は,1999年の世界科学会議における「ブダペスト宣言」を凝縮したフレーズです.
しかし,科学界を含めた私たちの社会は,この宣言で謳われる問題についての十分な議論・制度整備を経ることなく,大震災を迎えてしまったのかもしれません.
社会における科学(あるいは科学技術)の問題は,私たちの社会において,専門家と市民社会が共に考えるべき「公共の問題」です.そのとき,科学・技術を第一義的に担っている「専門家」の位置づけは,どのようにあるべきでしょうか.何が社会と科学の関係をギクシャクさせているのでしょうか.
これらは社会と科学(者)のコミュニケーションにとって,最初に考えられるべき課題です.
そこで,本授業では,科学と社会の関係について,環境政策論の立場から第一線の研究を続けている政治学者,尾内隆之氏をゲストに招き,授業参加者と共に,この問題を考えていきたいと思います.
10月28日のゼミ | 尾内氏の講演 | 10月29日のフィールドワーク | ポスター(PDF) |
参考文献
- 「科学」特集「科学は誰のためのものか」「御用学者がつくられる理由」岩波書店(2011年9月号),尾内隆之・本堂 毅
- 「科学コミュニケーション論」東京大学出版会 (2008),藤垣裕子・廣野 喜幸(編)