2011年度の記録です。
音楽の普遍性と多様性(2011年度)
基礎ゼミの授業概要(シラバス)
1. 授業題
音楽の普遍性と多様性
2. 授業の目的と概要
音楽は世界共通語と呼ばれ,国籍や言葉の違いを越えて感情や思想を伝えることが出来る.
その一方,音楽には様々な形態があり,時代や民族による違いも大きい.
音楽の普遍性の基礎には,自然法則の普遍性があり,多様性の基礎には,人間の価値判断の個性がある.
3. 学習の到達目標
音楽の基礎にある,自然法則の普遍性について理解する.
文化の基礎にある,人間の価値判断の多様性を理解する.
普遍性を共有し,互いの個性(多様性)を尊重することが,コミュニケーションの基礎であることを理解する
4. 授業の内容・方法と進度予定
(1)音楽の基礎となる音階や音色が、どのような自然法則から生まれてくるのか、実際に楽器を用いた実験を行い議論する。これにより、音楽の普遍性の基礎を理解する。
- 用意してある楽器:クラシックギター,ヴァイオリン,グランドピアノ,電子ピアノ,トロンボーン, 琴,ボンゴ,他
- 利用できる装置:オシロスコープ,スピーカー,発振器(信号発生器)など
- 場所:川内学生実験棟3階 音響実験室
(2)音楽の多様性がどのように生まれてきたのか?(1)の知見を基礎にして、自ら調べて議論する。
(3)日本フィルハーモニー交響楽団トロンボーン奏者の伊波睦氏を招いてワークショップを行い、参加者間で議論をして実際に音楽を創作する。
(4)創作のプロセスを考察し、曲を発表する。他人とコミュニケーションを行う際には、普遍性を共有し,互いの個性(多様性)を尊重することが必要である。
音楽創作ワークショップの中で、共同で創作するプロセスを体験し、コミュニケーション能力を磨くとともに、創作の醍醐味を体験する。
本ゼミは、クラシック音楽を目的とはしないが、素材として用いることがある。
※楽器演奏の経験がなく、楽譜が読めない学生も受講可能。
※(3)と(4)は、集中講義形式(合宿)で行う.
5.成績評価方法
出席状況、議論(ディスカッション),ワークショップでの活動に対する成績に基づいて評価する。
6. 参考書籍
書籍名 |
著者 |
出版社 |
出版年 |
|
1 |
音楽の科学:音楽の物理学・精神物理学入門 | ローダラー(Juan G. Roederer) |
音楽の基礎 |
1995 |
2 |
絶対音感 | 最相葉月 |
小学館
|
2002 |
3 |
音楽の基礎 | 芥川也寸志 |
岩波書店 |
1971 |
4 |
響きの考古学--音律の世界史 | 藤枝守 |
音楽之友社 |
1998 |
5 |
楽典(3訂版) | 黒沢隆朝 |
音楽之友社 |
1987 |
6 |
患者は何でも知っている:EBM時代の医師と患者 | J.A. ミュア・グレイ
|
中山書店 |
2004 |
7 |
科学の哲学 | 野家 啓一 |
放送大学教育振興会 |
2004 |
8 |
文科系のための自然科学総合実験 | 本堂 毅,須藤彰三(他) |
東北大学出版会 |
2008 |
9 |
ニッポンには対話がないー学びとコミュニケーションの再生 | 北川達夫,平田オリザ |
三省堂 |
2007 |
10 |
専門知と公共性 | 藤垣裕子 |
東京大学出版会 |
2003 |
7. その他
本ゼミは,ワークショップを行うために,受講者定員を10名とする.
日本フィルの音楽家と共に集中講義(合宿)を行うため、宿泊費として一万円程度が必要である。
参考
2007年度の基礎ゼミ(音楽):http://web.sci.tohoku.ac.jp/hondou/archives/kiso2007.html
2010年度の基礎ゼミ(法と科学):http://web.sci.tohoku.ac.jp/hondou/archives/kiso2010.html