ワシントン大学にてAOSワークショップ2024秋を開催しました

2024年9月26日(木)・27日(金)の2日間にわたり、本学と米国・ワシントン大学が共同で設置するアカデミックオープンスペース(University of Washington-Tohoku University : Academic Open Space)*(以下、AOS)の主催により、ワシントン大学においてAOSワークショップ2024秋を開催しました。

ワークショップ1日目は、量子フォーラムが開催されました。本セッションでは、次のとおり、両大学からそれぞれ研究者5名が、量子科学研究に関わる最新の研究活動を紹介しました。

(東北大学)

・橋本克之 助教(理学研究科): Resistively detected spin resonance in 2D systems

・好田誠 教授(工学研究科): Physics and application of persistent spin helix state semiconductors

・山下太郎 教授(工学研究科): Scalable superconducting flux qubits

・佐藤宇史 教授(AIMR): Edge states derived from topological Helix chains

・加藤俊顕 准教授 (AIMR): Janus transition metal dichalcogenides as novel 1D and 2D materials

(ワシントン大学)

・Ting Cao(Assistant Professor, Material Science) Quantum modeling

・Matthew Yankowitz(Assistant Professor, Physics & Materials): Graphene

・Jiun-Haw Chu(Associate Professor, Physics): Crystal growth

・Dave Cobden(Professor, Physics) ARPES of 2D materials

・Mo Chen(Assistant Professor, Materials Sci & Eng): Superconducting qubit

ディスカッションの様子

ワークショップ2日目は、学術分野(量子分野)と産業分野の人材の交流の場として実施されました。冒頭、開会の挨拶において、ワシントン大学のGayle Christensen副学長(国際担当)は、今後開始予定の両大学間のパイロットプロジェクトに期待を述べつつ、将来的な協力の可能性を探る今回の機会に感謝の意を表しました。

また、東北大学を代表して、山口昌弘副学長(教育改革・国際戦略担当)から、今回のワークショップが量子、データ・サイエンス、ロボティクス、グリーン・テクノロジーなど、持続可能な社会発展に不可欠な分野において、産学の最新の取り組みを共有する貴重な機会であること、また、両大学及び企業関係者が互いを知る機会となり、新たなインスピレーションを得られるきっかけとなることへの期待が述べられました。在シアトル日本国総領事館の伊従誠総領事からは、産学連携の観点を中心に、イベントの意義と期待が述べられました。

続いて、ワシントン大学と産業界の協力による量子プロジェクトに関する報告会が開催され、次のとおり各発表者から最新の研究や産業との連携が紹介されました。

・Dean Kassmann(SVP of Engineering & Technology, IonQ):パフォーマンス、スケール、エンタープライズグレードの3つの分野に焦点を当てた量子コンピュータの開発について

・Charles Marcus(Boeing Johnson Endowed Chair Professor): 「量子と複雑さ」について

・Erin Schwartz(Senir Director, Corporate & Foundation Relations):ボーイングやAmazon社との協力によるAIやロボティクス分野での研究推進

・Dieter Fox(Professor, UW/Senior Director of Robotics Research, NVIDIA):ロボティクスにおけるAI技術の統合について

・Daniel Schwartz氏(Professor and Director of Clean Energy Institute, UW):持続可能なエネルギーシステムの研究や、クリーンエネルギー技術の促進を目指す産学連携について

 

その後、ワシントン大学やAmazonで活躍するの日本人研究者が、自身の研究活動を発表しました。また、全ての発表が終了後、ネットワーキングの時間では、参加者同士の交流が図られました。

講演するDi Xiao教授

参加者の交流の様子

今回のAOSワークショップを機会として、両大学の連携の更なる進展が期待されます。