ワシントン大学にてAOSワークショップ2023秋を開催しました

【AOS第2期の展望について話す山口副学長】

2023年9月21日(木)・22日(金)の2日間にわたり、本学と米国・ワシントン大学が共同で設置するアカデミックオープンスペース(University of Washington-Tohoku University : Academic Open Space)*(以下、AOS)の主催により、ワシントン大学においてAOSワークショップ2023秋を開催しました。このワークショップは、各領域での連携を深める場、また、AOS第2期から新たに加わった連携分野である「スタートアップ支援」におけるキックオフの場として開催され、延べ150人以上が出席しました。

ワークショップ1日目は、2つのセッションA・Bが同時進行で行われました。「Digital Engineering and New Energy Ecosystem in Auronautics」をテーマとするセッションAでは、大内二三夫ワシントン大学名誉教授(東北大学特任教授)が開会の挨拶において、2017年に創設されたAOSは教育・研究での両大学間連携の成果を挙げてきた。2022年に第2期を迎えたAOSは、従来の協力分野を拡大し、シアトルと仙台のハブとして一層重要な役割を果たしていきたい。今回のワークショップでは、両大学と企業から最新のデジタル技術をと航空技術に関する研究成果を共有し、次のイノベーションを創出する機会としたいと述べました。本セッションでは、東北大学、ワシントン大学の研究者、シアトルを創業の地とするボーイング社からの基調講演や最新の研究成果の紹介が行われました。

【ボーイング社による講演】

【流体科学研究所 大林教授による講演】

「Japan Seattle AI Innovation Meetup 21.0」と題して実施されたセッションBには、日米両国から有名企業や新進気鋭のスタートアップ企業が参加し、リバースピッチセッションが繰り広げられました。その後、両セッションの参加者はシアトル総領事公邸にて合流し、ネットワーキングレセプションを行いました。冒頭、在シアトル日本国総領事館の稲垣久生総領事は、AOSを通じた連携の発展に触れ、両大学の素晴らしい協力関係を引き続きサポートしていきたいと述べました。

ワークショップ2日目は、スタートアップ支援をテーマとして実施されました。ワシントン大学を代表して、スタートアップ支援組織CoMotionの責任者、フランソワ・バネイクス副プロボスト(イノベーション担当)が、ワシントン大学におけるイノベーション促進の取り組みについて、具体例を交えて紹介しました。冒頭、東北大学を代表し挨拶を行った山口昌弘副学長から、今回のワークショップが両大学及び企業の関係者が互いを知る機会となり、また、AOSの取り組みを通じて、イノベーションとアントレプレナーシップ教育における日米の大学連携の先駆的な役割を果たしていきたい旨が述べられました。続いて、産学連携機構スタートアップ事業化センターの早坂昌彦副センター長が、東北大学におけるスタートアップ支援システムを紹介しました。また、岡部朋永教授が、センター長を務めるグリーンクロステックセンターについて紹介しました。

 

【ワシントン大学のイノベーション支援の取り組みを紹介するフランソワ・バネイクス副プロボスト(イノベーション担当)】

続いて、東北大学の研究者らによる、起業を通じた研究成果を社会還元する取り組みの実例として、以下の発表が行われました。

・北村美和子助教(災害科学国際研究所)
介護者、心理的危機に直面している人やマイノリティーの人々を対象とした災害時用携帯型機器の開発について

・太田誠教授(流体科学研究所)
呼気に含まれるウイルスによる感染を予測する呼気オミックス解析装置について

・横川裕大(株)CERCIT代表取締役(東北大学病院高度救命救急センター)
医学教育器具としてのエコーガイド下穿刺モデルについて

・越村俊一教授(災害科学国際研究所)
リアルタイム津波浸水被害予測サービスについて

Co-Motionの施設視察に続き、午後には、ワシントン大学CoMotion発のスタートアップ企業12社によるピッチトークが行われました。

【ピッチトークの様子】

【Co-Motion視察】

今回のAOSワークショップを機会として、両大学のイノベーション推進等における連携の更なる進展が期待されます。

※「Japan Seattle AI Innovation Meetup 21.0」の詳細はこちら