東北大学植物園とは
植物園のあらまし
この植物園は、1958年(昭和33年)に東北大学が研究と教育のために設立した自然植物園で、面積は約52万㎡ あります。この地は、仙台城址背後の御裏林(おうらばやし)、通称青葉山と呼ばれる丘陵地ですが、1600年(慶長5年)に伊達政宗が仙台城を築いて以来、今日までほとんど人手が加えられることが無かったため、仙台地方の丘陵地の自然植生であるモミの美林が残されており、人口100万人の都市近郊としては、稀に見る自然豊かな地域となっています。
またこのモミ林を始めとして、園内の動植物には学術上貴重なものがたくさん存在することから1972年(昭和47年)、植物園としてはわが国で初めて天然記念物に指定されました。
東北大学植物園の歴史
- 1958年(昭和33年)
- 東北大学に移管され、理学部附属植物園として公開を開始する。
- 1972年(昭和47年)
- 敷地の約8割が国の天然記念物「青葉山」に指定される。
- 1986年(昭和61年)
- 植物園記念館「津田記念館」が完成する。
- 1996年(平成8年)
- 本館が新築される。
- 2003年(平成15年)
- 天然記念物指定範囲が国指定史跡「仙台城」の一部となる。
- 2006年(平成18年)
- 仙台城二の丸の杉並木が仙台市指定天然記念物となる。
現在植物園となっている地域は、伊達政宗によって築城が始められた仙台城の後背地に当たります。そこは御裏林と呼ばれ、防備上重要な場所であり、城の水源地でもありました。
そのため、仙台藩の厳重な監視下に置かれていました。
1868年の明治維新後は陸軍に引き継がれ、1945年(昭和20年)の第二次世界大戦終結後は、駐留軍軍用地となり、これらの期間も一般市民の立ち入りは制限されました。大戦前後には伐採や亜炭の採掘・火薬庫や兵舎の設置・スギの植林が部分的に行われたものの、長年にわたって、森に人手が加わることは少なく、そのために大都市内では稀にみる貴重な自然林が残されることになったのです。
旧本館・研究棟の建物
東北大学植物園の本館・研究棟は、1958年(昭和33年)から本館が新築される1995年(平成7年)までは、戦後占領軍(GHQ)が使用していた建物を利用していました。本館の中には、ダンスホール・カウンターバー・映写室などがありました。
左側に見えているのが研究棟で、元来は将校たちが住んでいた建物です。本館は1995年まで、研究棟は1996年まで使用していました。