ダイナミトロン加速器
ダイナミトロン加速器(RDI製)は、高電圧ターミナル内にイオン源を内蔵したターミナル電圧4.5MVのシングルエンド型静電加速器です。 高電圧発生にはシェンケル型の倍電圧整流回路を使用しています。 加速タンク内には絶縁ガスSF6が封入されています。本加速器は1974年に導入された装置ですが、最新の技術を取り込んだアップグレードにより種々の性能向上を図ってきたため、現在では電圧安定度ΔV/Vは10-5 という高い電圧安定度を実現しています。
また、イオン源にはデュオプラズマトロンイオン源を採用しているため比較的大強度のイオンビームを供給することができます。イオン源から引き出されたイオンビーム(p,d,He-3,He-4)は高電圧により数MeVまで 加速され 、加速タンクを出た後にSwtching Magnetによってビームラインに輸送されます。


表 ダイナミトロン加速器の主なスペック
名称 | ダイナミトロン加速器 |
ターミナル電圧 | 最大4.5MV |
昇圧方式 | schenkel回路 |
イオン源 | デュオプラズマトロンイオン源 |
加速粒子 | p,d,He-3,He-4 |
ビーム電流 | 3mA (@3MeV proton) |
ビームライン | 6本 |
デュオプラズマトロンイオン源
イオン源にはデュオプラズマトロン型イオン源を採用しています。このイオン源は主として軽イオンの発生に用いれます。熱陰極を有するアーク放電型で、内部はイオンの元となる水素ガスやHeガス等が供給され、カソード電極から発生した熱電子により、ガスをイオン化、プラズマを生成します。Extractor電極に数十kVの電圧を印加することにより、イオンを引き出します。


デュオプラズマトロン型イオン源は加速タンクの中に収められているので普段はイオン源の様子を見ることが出来ません。F氏が開発したイオン源テストベンチを使うことで、プラズマが発生している様子を見ることが出来ます。