• Fast Neutron Laboratory, Tohoku University, JAPAN

Micron CT分析

MicronCTの概要

Micron CT分析は、その名のとおり微小な試料に特化したミクロンの分解能を持つX線CTです。一般的には病院で使われるX線CTですが、東北大学FNLでは、微小な生体試料の内部構造を立体的に観察することができる分析システムを構築しました。

イオンマイクロビームとPIXE(Particle Induced X-ray Emission)法による準単色のX線を組み合わせることで、高コントラスかつ約1µmの高空間分解能を実現しています。一般的な内部構造観察に加え、生体中における含有元素のK吸収端を利用することで、元素分布濃度の画像化が可能となっています。

Micron CTの特徴と応用例

Micron CTシステムは主に、(1)ほぼ理想的な点線源かつ準単色線源、(2)微小試料、(3)高分解能CCD、から構成されています。

(1)ほぼ理想的な点線源かつ準単色線源

汎用X線CTとの最も大きな違いはX線発生機構にあり、このX線発生機構の違いこそがMicronCTを特徴づけています。汎用X線CTはX線源にX線管を利用します。一方で、MicronCTは 加速器によって加速された数MeVのプロトンビームをマイクロビーム径にまで絞り、PIXE法を利用して疑似的なX線源を作り出します。詳細はPIXE分析のページに記載されていますが、プロトンビームを金属Targetに照射すると、特性X線と呼ばれる準単色なX線が発生します。そしてマイクロビームを利用することで、ほぼ理想的な点線源かつ準単色線源を実現することが出来ます。

(2)微小試料

Micron CTの測定試料は真空チャンバーの中に封入します。そのため水分を多く含む生体試料を観察する場合は、ポリイミド製マイクロチューブの中に生体試料を収めることで、生きたまま試料を撮影することを可能にしています。