2025年1月15日(水)、東北大学の冨永悌二総長が、SLAC国立加速器研究所のジェローム・ビラー・ヘイスティングス教授に「東北大学国際功労賞・特別賞」を授与するとともに、「特任教授(客員)」の称号を授与しました。
ヘイスティングス教授は、X線自由電子レーザー(XFEL)の開発と応用において重要な役割を果たし、2021年には英国王立化学会の「New Horizon賞」を受賞するなど、国際的に高く評価される卓越した業績を残しています。また、2024年に東北大学青葉山新キャンパスで本格稼働を開始した3GeV高輝度放射光施設「NanoTerasu」の実現に多大な貢献をされました。「NanoTerasu」は食品、医薬品、新素材開発などの分野でイノベーションを促進することが期待される、世界最高レベルの分析性能を有する施設です。
さらに、ヘイスティングス教授は、東北大学が主催する世界主要放射光施設サミットの議長を務め、国際的なネットワークの拡大と東北大学の国際的プレゼンス向上にも大きく寄与しました。
東北大学は、ヘイスティングス教授のこれらの功績を踏まえ、国際的に活躍する東北大学関係者を顕彰する「東北大学国際功労賞」、ならびにナノテラスの推進と本学におけるナノテラスを活用したイノベーションエコシステムの形成のための助言等を行う「特任教授(客員)」の称号を授与することとしました。
第6回青葉サミットに先立ち開催された授与式には、大野英男総長特別顧問(前総長)、植木俊哉理事・副学長、湯上浩雄副学長、高田昌樹総長特別補佐(研究担当)が出席しました。
冨永総長は式辞で、「今後は、NanoTerasuの着実な運用推進、本学研究者への助言、そして本施設を核としたイノベーションエコシステムの形成に向け、豊富な経験と国際的ネットワークを活かし、引き続き、お力添えをいただきたい」と述べました。
これに対し、ヘイスティングス教授は受賞スピーチで、「東北大学の一員として、大学の発展と科学の進化にさらに積極的に貢献していきたい」との意欲を語りました。
表彰状の授与と両者のスピーチの後、出席者たちは、学術の発展における国際連携の重要性や、東北大学の未来に向けた今後の協力について意見を交わしました。