「『東北大学国際法政策センター』開設記念セミナー」を開催しました

東北大学は、4月1日、国際法の知見を広く社会に発信するとともに、国際ルールの策定に関する政策提言等を行うことを目的として、「東北大学国際法政策センター(Center for International law and policy) 」を設置します。

本センターの開設に向け、3月23日、国際人権法と国際刑事法の専門家で元国際刑事裁判所裁判官の尾﨑久仁子特任教授をお招きし、記念セミナーを開催しました。

セミナーは対面開催とオンラインのハイブリッド形式で実施され、国際法の専門家や高校生を含む一般の方々など、100名以上が参加しました。

セミナーでは、東北大学国際法政策センター長に就任予定であり、現在国際法学会代表理事及び世界法学会理事長を務める植木俊哉理事・副学長が、センターの開設趣旨について説明を行いました。植木理事・副学長は、東北大学が国際司法裁判所、国際海洋法裁判所、国際刑事裁判所の裁判官を輩出した稀有な大学であることに触れながら、東北大学法文学部の設立から1世紀の間に培った人文・社会科学の総合知を活用し、国際的なルールや規範の策定に貢献していくことを説明しました。

次に、元東北大学法学部・法学研究科教授であり国際刑事裁判所の裁判官を務めた尾﨑久仁子特任教授が、「国際刑事裁判所の役割と課題 ―ウクライナの事例―」と題した記念講演を行いました。尾﨑特任教授は講演の中で、ウクライナ侵攻に関する国際法上の問題点やロシアのプーチン大統領に逮捕状を発付したことの意味など、国際刑事裁判所の国際社会に果たす役割と課題について語りました。

質疑応答セッションでは多くの質問が寄せられ、尾﨑特任教授はそのひとつひとつに丁寧に回答していました。

また、セミナーに先立ち、本学史料館内に設置されている、小田滋国際司法裁判所判事記念室の報道機関向け特別公開が行われました。同記念室には、国際司法裁判所最長である3期27年間にわたり裁判官を務められた小田滋東北大学特別栄誉教授が着用していた法服などが展示されているほか、先生の活躍を伝える貴重な資料が収められています。

東北大学国際法政策センターでは、今後、国内外の有識者を招いたシンポジウムやカンファレンスの開催や、さまざまな地球規模課題の解決に向けた政策提言等の発信を通じ、新しい国際秩序の形成や発展に貢献するため活動していく予定です。

【大野総長、植木理事と東北大学国際法政策センターの看板】

 

【小田滋 国際司法裁判所判事記念室の報道機関向け特別公開】

 

【植木俊哉理事・副学長による開設趣旨説明】

 

【尾﨑久仁子特任教授による講演】

 

【質疑応答の様子】

 

問い合わせ先:
東北大学国際法政策センター
TEL:022-217-5916
E-mail:cilp@grp.tohoku.ac.jp