資料・プログラム

講演者のスライドなど

講演   10:00-14:30
    氏名/所属 タイトル PDF   講演動画
1 10:00
–10:40
本堂 毅 東北大学理学研究科 はじめに:科学の不定性と裁判:科学者の視点から スライド
(3.08MB)
テキスト(書き起こし) hondouYouTube
2 10:40
–11:00
吉良貴之 常磐大学  『コンカレント・エヴィデンス』とその制度的含意 スライド
(30KB)
   
3 11:00
–11:40
ピーター・マクレラン オーストラリアNSW州最高裁コモンロー首席判事 オーストラリアでのコンカレント・エヴィデンスの経験から 資料
(227KB)
  「コンカレント・エヴィデンス」の紹介ビデオ(日本語字幕版)YouTube
オーストラリアの法廷におけるコンカレント・エヴィデンス 序論 補足資料
(法律家の方へ)

(118KB)
休憩 11:40〜13:00
4 13:00
–13:25
尾内隆之 流通経済大学法学部

専門知を意思決定にどう使うか:日本の現状を踏まえて

スライド
(1.78MB)
  onai YouTube
5 13:25
–14:05
アンドリュー・スターリング 英国サセックス大学 科学の不定性に向き合う:方法論と政策の可能性
概要
(139KB)
テキスト(書き起こし) stirling
(英語)YouTube
スライド
(1.98MB)
スライド(ムービー版)
6 14:05
–14:30
小林傳司 大阪大学コミュニケーションデザインセンター 合理的失敗は可能かー後悔の最小化、ベストエフォート、受容
スライド
(217KB)
  kobayashi YouTube

※許諾を得て掲載しています。無断転用、転載を禁じます。

休憩 & 企画展示、パネルディスカッション質問受付等
14:30
―15:30

科学の不定性と法を扱うための『ハンドブック』,編集を語る (中島貴子他)
資料配布、展示
コンカレント・エヴィデンスDVD(日本語版)上映
ほか

パネルディスカッション
15:30
-18:00
司会:尾内隆之/本堂毅
ピーター・マクレラン、オーストラリアNSW州最高裁コモンロー首席判事
アンドリュー・スターリング、英国サセックス大学、
小林傳司(大阪大学コミュニケーションデザイン・センター)
平田光司(総合研究大学院大学学融合推進センター)
渡辺千原(立命館大学法学研究科)
米村滋人(東北大学法学研究科)

パネルディスカッションの冒頭部分YouTube▼画像をクリック
パネルディスカッション 冒頭部分 動画
パネルディスカッションのつづきは、引きつづき編集をして掲載いたします。

アフターカフェ:法哲学漫談(定員70名)
若手法哲学者数名がシンポジウム全体の内容をコンパクトにわかりやすく、そして面白おかしく話します。気軽なカフェ形式で参加者の皆さんと意見交換し,シンポジウムの楽しいまとめにしたいと思います。
18:00
―20:00
話題提供:小林 史明(明治大学)、川瀬貴之(千葉大学)、吉良貴之(常磐大学)
ファシリテータ:立花 浩司(科学ひカフェろばサイエンスカフェ)

記者会見(18:00〜)報道機関の方へ

シンポジウムを理解するための用語集

Expert Evidence(エクスパート・エヴィデンス)
海外の多くの国では "Expert Evidence" と呼ばれる科目が法学部・法科大学院で教えられます.
科学技術,医学など,専門性の高い知識を法曹がどのように扱うべきか,裁判のやり方をどのように制度設計すべきかを明らかにする研究分野です.
この科目を担当する教員は,Expert Evidence の専門家で,狭義の法学だけではなく科学哲学,科学技術社会論(STS) などに通じています.
日本では残念ながら,Expert Evidence という科目は独立したものとしては存在せず,したがって法学部・法科大学院には,その専門家も殆どいません.
誘導尋問(ゆうどうじんもん)
尋問者の欲する答えが暗示されている質問.一般的に,質問内容を限定し,イエス・ノーで答えさせることを繰り返すことによって,欲する答えに導こうとするもの.
誘導された結果,証言者にとって不本意な証言になる危険性が指摘されています.
日本の法廷では科学者証人に対しても誘導尋問が行われていますが,科学的な証拠は様々な条件に依存する性質を持つため,科学的条件を明示しないイエス・ノー式での単純な答えでは,科学的合理性を保った証言が原理的に不可能です(科学技術社会論研究,第7号,p.118,2009). これは,法廷での科学的証拠を専門とする研究者間では,世界的によく知られた問題です.
マクレラン判事が登場するDVD でも,誘導尋問による科学者(専門家)尋問は不毛だという認識がコンカレント・エヴィデンスを生み出したことが語られています.
対審構造(たいしんこうぞう)
両当事者(原告と被告)を相対させて行う訴訟のやり方で、当事者は自己に有利な主張や証拠を積極的に出すはずであるから、真実発見のために合理的な制度であるとされています。
線引き問題(せんびきもんだい)
科学者が「科学的に確実,蓋然性がある」と判断する基準は何でしょう? 
科学は現象から法則を推論し,その法則を現象に適用する営みです. だから100% 正しい科学的知識は原理的にあり得ません. 学校の教科書に載っている話なら100% に近いでしょうけど,裁判に上がるような現実の問題では, そうはいきません.
「絶対確実」が原理的に言えない以上, 科学者のA さんが「確実」といい,B さんは「まだ確実ではない」と言ったとき, その違いは単に,どこから「確実」と捉えるかという「線引き」の違いだけかもしれません.この「線引き」は,科学自体では決まらないものです(科学の不定性).民事事件と刑事事件で,判決に必要な証明度が異なることからも分かるように, 社会と関わる科学技術の問題を科学者だけに線引きさせることの問題性も見えてくるでしょう.
科学の不定性(かがくのふていせい)
「科学論争」と呼ばれるものは,科学的知識自体より,むしろ上記の「線引き問題」や,そもそもどの問題を重要と考えるのかという価値判断のあり方をめぐった論争かもしれません.その場合に論点を「科学だけで答えが出る問題」と位置づけてしまうと,議論が平行線をたどるのは当然の帰結でしょう.
科学だけでは決まらず,価値的な判断を要するものは,多様な専門家や関係者による開かれた議論を通じて社会的に議題構築や意思決定をしておく必要が生じます.スターリング教授の不定性分類についての研究は「リスク評価」や「科学論争」において語られている対象の違いや,そこから来る関係者の議論のすれ違いを明らかにすることにより,開かれた議論の必要性とあり方を示してくれます.
Concurrent Evidence(コンカレント・エヴィデンス)
オーストラリアの裁判所で生み出され,活用されている専門家証言の方式.この方式では法廷に先立ち,争点に関する見解について合意できる点と合意できない点を複数の専門家が共同で議論し,その結果をレポートに書きます.その後,専門家は法廷で自らの意見を示すと同時に,先のレポートをもった裁判官の前で互いに質疑応答を行うことが推奨されます.これによって, 科学的不定性が整理され,未来予測が必要な真の不確実性の存在を明らかにできる,誘導尋問で科学的知見が歪められることなく,裁判官の法的判断に必要な質の高い証言を得られる,審理時間が大幅に短縮できる,などの利点が生まれます.この手法が科学技術が関わる社会的意思決定一般でも応用可能なことに気づけば,オーストラリアの体験は裁判に限らず,私たちに様々な示唆を与えてくれるでしょう.
科学者の行動規範(かがくしゃのこうどうきはん)
日本学術会議が2006 年に策定しました.その第4項「説明と公開」では,『科学者は、自らが携わる研究の意義と役割を公開して積極的に説明し、その研究が人間、社会、環境に及ぼし得る影響や起こし得る変化を評価し、その結果を中立性・客観性をもって公表すると共に、社会との建設的な対話を築くように努める』こと求められています.しかし,現在の法廷では「誘導尋問」にも例がみられるように,科学者が行動規範に従いながら証言を行うことが容易でありません. 科学者と法廷との「協働」が困難な現状があります.

関連資料

氏名 掲載 タイトル PDF
本堂毅 岩波書店「科学」 2010年2月号に掲載されています 「法廷における科学」 759KB
日本物理学会誌2011年4月号 「談話室」に掲載されています 「JSSTS-4S合同国際会議開催記念・市民講演会『社会のなかの科学: 21世紀の科学および市民の社会的責任』に参加して 398KB
東北大学高等教育開発推進センター紀要(2011) 「法と科学の接点:科学を通して法を,法を通して科学を考える」 1MB
岩波書店「科学」 2012年7月号に掲載されています 「科学技術の不定性と社会的意思決定」 1MB
吉良貴之 8月25日の関連研究会における講演スライド(英文) Concurrent Evidence and Polarization スライド36KB
ピーター・マクレラン YouTube ビデオ「コンカレント・エヴィデンス」(日本語字幕版) YouTube
尾内隆之 2012年3月、日本物理学会における講演資料 「社会の意思決定と専門家」 概要162KB
スライド827KB
尾内/本堂 岩波書店「科学」 2011年9月号特集
「科学は誰のためのものか」
「御用学者がつくられる理由」 1.9MB
吉澤/中島/本堂 岩波「科学」2012年7月号に掲載されています 「科学技術の不定性と社会的意思決定──リスク・不確実性・多義性・無知」 1MB
平田 光司 岩波「科学」2011年9月号特集
「科学は誰のためのものか」
「ファインマンが見た 巨大装置の安全性」 1.63MB
2012年3月、日本物理学会における講演資料 「社会が知りたい科学:科学の不定性」 概要125KB
スライド(5.92MB)
渡辺 千原 立命館法学 2011 年 5・6 号 「裁判の専門化と裁判官」 101KB
立命館法学 2000年3・4号下巻 「医療過誤訴訟と医学的知識」 サイト
米村 滋人 「医科学研究の自由と規制:研究倫理指針のあり方」青木清、町野朔/共編 (ぎょうせい,2011) 「ヒトゲノム指針・臨床研究倫理指針・疫学研究倫理指針―基本概念から見た倫理指針の問題点」 335KB
「医科学研究におけるインフォームド・コンセントの意義と役割」 323KB
  「医学と倫理と法」 講演抄録167KB
スライド1MB
mcclellanandy

ポスター、チラシなど

チラシ(カラー表裏) チラシ(カラー)
A4両面印刷(長辺とじ)用。
表カラー、裏白黒。

1.5MB

チラシ白黒版 チラシ(白黒)
A4両面印刷(長辺とじ)用。
モノクロ印刷用のチラシ。

1.14MB

poster ポスター。

647KB

当日配布パンフレット 当日配布プログラム
A3両面、白黒、短辺綴じで印刷。
当日のプログラムなど詳細を掲載。
394KB
map 会場周辺地図
一橋記念講堂までの地図。
525KB
  ランチマップ

97KB