2019年2月23日(土)、ベトナムのハノイで東北大学ベトナム同窓会が設立し、記念式典およびセミナーが開催されました。本学から大野英男総長、植木俊哉理事・副学長ほか関係者12名が出席しました。式典の午前の部は貿易大学、午後の部はチュイロイ大学(旧・水資源大学)で、総勢80名の同窓生・関係者の出席のもと、それぞれ盛大に開催されました。
貿易大学での記念式典
午前の部は、ベトナムで社会科学系トップクラスの貿易大学で開催され、はじめに貿易大学Tuan学長と大野総長が開会の挨拶を述べました。
大野総長は、ベトナム同窓会の発足と両校の交流成果について感謝の意を表し、今後の両校の発展へ期待を寄せました。挨拶の後、両校関係者が見守る中、両学長が大学間学術交流更新協定書に調印しました。
FGL Challenge in Vietnam
調印式に引き続き、本学グローバルラーニングセンター主催により、ベトナム人高校生対象のコンテスト「TU Future Global Leadership (FGL) Challenge in Vietnam」の最終選考3組9名による決勝が行われました。両大学の学長をはじめ多くの参加者が見守るなか、ハノイ及びホーチミンから駆け付けた高校生による堂々たる英語のプレゼンテーションが行われ、見事、ハノイ近郊の高校生チーム ”Ocean Three” が優勝し、副賞として本学で今年夏に開催されるサマースクールへの参加権を勝ち取りました。優勝チームのQuach Viet Hoangさんはじめ3名は、大野総長から優勝を告げられると、参加者からの歓声と拍手の中、何度もガッツポーズをし、優勝を喜び合いました。
続いて、本学経済学部経済学研究科主催の海外体験プログラム(ファカルティレッドプログラム)に参加している本学学生が登壇し、代表3名からハノイでの企業視察や現地調査の様子が詳しく紹介され、参加者から大きな注目を集めました。
人文・社会科学系セミナー
今回の式典では、東北大学ベトナム同窓会発足を記念し、貿易大学とチュイロイ大学の2会場で第1回同窓会記念セミナーが開催されました。貿易大学でのセミナーは、Vu Hoang Nam准教授司会のもと人文・社会科学をテーマに行われ、本学経済学研究科出身のベトナム同窓生3名と本学教員2名が研究発表を行いました。Nam准教授と共同研究を行っている日引聡副研究科長(経済学研究科)は、農業部門における地球温暖化とその影響について最新の研究内容を発表し、若林緑准教授(同研究科)は、”Commitment Device in Marriage and Undersaving” と題する報告を行いました。
また、本学経済学研究科出身の同窓生である貿易大学Tran Thi Kieu Minh講師、ベトナム国立大学のNguyenThi Phuong Dung講師、ベトナム中央経済管理研究所のLe Huong Linh研究員がそれぞれ研究成果を発表し、参加者と活発な質疑応答を行いました。
東北大学ベトナム同窓会設立式
午後に行われたチュイロイ大学での式典では、チュイロイ大学Trinh Minh Thu学長、本学の大野総長の開催の挨拶に続いて、林雄介在ベトナム日本国大使館一等書記官が祝辞を述べました。続いて祝辞を述べた元ベトナム国会対外委員長のVu Maoチュイロイ大学同窓会名誉会長は、日越交流促進について期待を述べるとともに、両校の交流発展とベトナム同窓会発足を祝して歌を披露し、聴衆を大いに沸かせました。
東北大学ベトナム同窓会初代会長に就任したチュイロイ大学Viet副学長は、「これまで多くの東北大学留学生がベトナム帰国後に地域社会のみならず国レベルで貢献している。会員同士助け合い、今後さらに、同窓会として東北大学およびベトナムの発展に寄与していきたい」と決意を述べました。Viet副学長のこれまでの両校の学術・文化交流への多大なる貢献を賞し、本学工学研究科森谷祐一教授からViet副学長へ「東北大学工学部・工学研究科国際交流功績賞」が授与されました。また、同様に本学田中仁教授(工学研究科)には、Thu学長から「クアンナム省人民委員会表彰状」が、またベトナム農業省から記念メダルが、それぞれ授与されました。
工学・自然科学セミナー
式典終了後、工学と自然科学をテーマに「同窓会記念セミナー」が行われました。最初に登壇した本学田中教授は、ベトナムで行われた数多くの共同研究の成果と経験を通じて、日本とベトナムの教育・研究協力の促進について論じました。ベトナム側からはViet副学長のほか、本学卒業生・研究者であるHoa Anh Nguyen氏(農学研究科;現ANBAIO R&C JSCのCEO)、ベトナム国家大学ハノイ校(VNU)工科大学にて教鞭をとるPhan Xuan Hieu情報技術学部副学部長、ハノイ工科大学のTruong Viet Anh准教授が登壇し、本学での留学経験等を通じたこれまでの研究実績などについて発表が行われました。発表の中で研究成果とともに本学在籍当時の写真が会場の大画面に投影されると、参加者から当時を懐かしむ声や歓声があがりました。
セミナー終了後には懇親会が行われ、本学同窓生及び貿易大学、チュイロイ大学関係者約60名が参加し、親睦を深めました。
ベトナム同窓会は、帰国留学生による本学の海外同窓会として韓国、中国、台湾、インドネシア、タイ、モンゴルに続いて7番目に設立されたもので、現在約110名のベトナム人同窓生が活躍しています。東南アジアでの本学同窓会の新たな拠点が設立されたことにより、東北大学ネットワークのさらなる国際的広がりが期待されます。