2024年「東北大学国際功労賞・海外同窓会アウォード」の受賞発表について

9月28日(土)に東北大学百周年記念会館(川内萩ホール)で開催された東北大学117周年ホームカミングデーにおいて、「東北大学国際功労賞・海外同窓会アウォード」の受賞者及び受賞団体が発表されました。

本アウォードは、海外同窓生等との連携を強化することを目的に立ち上げられた取組みであり、個人部門の「東北大学国際功労賞」は、東北大学にゆかりのある方の中で国際的な活動を通じ本学の国際的プレゼンスの向上に貢献を果たした方に対し表彰されるものです。一方、団体部門の「海外同窓会アウォード」は、特色のある海外同窓会の活動に贈られます。

「東北大学国際功労賞」には今回、人類が直面する地球規模課題の解決に資する科学技術への貢献に対して贈られる「科学技術賞」と「特別賞」が新設され、合計4人が受賞しています。

両部門とも、実行委員会による厳正な審査の結果、下記のとおり受賞者及び受賞団体が決定しました。

受賞者を発表する長坂副学長

 

 

 

 

 

 

 

 


【受賞者・受賞団体

1.「東北大学国際功労賞」 

 

 

 

 

 

Ms. Pelonomi Moiloa(ペロノミ・モイロア氏)

Lelapa.ai – CEO・共同創設

授賞理由

ペロノミ・モイロア氏は、雑誌『TIME』の特集「TIME100/AI」において、人工知能分野で世界をリードする主要な100人の一人として選ばれました。これは、彼女がCEO兼共同創設者として携わるAIスタートアップ企業Lelapa.aiの功績によるものです。Lelapa.aiは、多くの言語が使用されるアフリカにおいて、話し言葉を即座に書き起こし、分析することで理解を支援し、話者のニュアンスを踏まえたチャットボットとの会話へのシームレスな統合を実現する技術を提供してします。

モイロア氏は、東北大学在学中からAFAM(宮城アフリカ協会)の活動においてリーダーシップを発揮し、「AFAM-KAKEHASHI」プロジェクトやTUFSA国際フェスティバルの成功に貢献しました。AFAMは、彼女のリーダーシップによる活動を通じ、日本におけるアフリカ文化の認知拡大に貢献しました。また、AFAMの協会誌「AfriMag」への寄稿も、読者から高く評価され、同誌の知名度を向上させました。卒業後も南アフリカからAFAMの活動に積極的に参加し、コミュニティの発展に貢献し続けており、若いアフリカ人にとっての模範的な存在となっています。

 

 

 

 

 

許邦福

華城電機株式会社理事

授賞理由

許邦福氏は1968年に東北大学工学部で学士の学位を取得し、その後、電機工業分野で卓越した業績を挙げ、台湾の電力設備業界のリーダーとして国際的にも成功を収めました。1993年には優良商人金商賞、1997年には経済部産業技術開発優等賞と磁性技術産業貢献賞を受賞し、華城電機を台湾の電力設備業界のリーダーに育て上げました。許邦福氏のリーダーシップの下、華城電機の時価総額は2,167億台湾元(約1兆円)に達し、総株主リターンは787%に上がりました。彼はまた、グリーンエネルギーシステムエンジニアリングへの転換、デジタル化、スマートファクトリーの構築に注力し、環境保護と持続可能な発展に貢献しています。

許邦福氏は、東北大学台湾同窓会設立の中心人物であり、2007年から2024年にかけて同窓会の初代会長を務め、東北大学と台湾同窓会の架け橋として17年間にわたり150人以上の会員を率いました。会長退任後も、継続して同窓会活動を支援し貢献しています。

2.「特別賞」

 

 

 

 

 

Prof. Jerome Biller Hastings  (ジェローム・ビラー・ヘイスティングス教授)

SLAC National Accelerator Laboratory教授/研究

授賞理由

ヘイスティングス教授は、X線自由電子レーザー(XFEL)の開発と応用において重要な役割を果たし、2021年に英国王立化学会のNew Horizon賞を受賞するなど、国際的に高く評価される卓越した業績を残しています。

ヘイスティングス教授は東北大学青葉山新キャンパスで2024年に本格稼働を開始した次世代放射光施設「NanoTerasu」の実現に多大なる貢献をされました。世界最高レベルの分析性能を持つ「NanoTerasu」の活用により、食品、医薬品や新素材開発などのイノベーションの進展が期待されています。

ヘイスティングス教授はまた、東北大学が主催する世界主要放射光施設サミットの議長を務め、国際的なネットワークの拡大と東北大学の国際的プレゼンス向上に貢献しました。

3.「科学技術賞」

 

 

 

 

 

 

陳立東教

上海セラミックス研究所

授賞理由

陳立東教授は、東北大学工学研究科で1990年に博士の学位を取得し、20年以上にわたって熱電分野の研究に従事しています。陳教授が専門とする熱電分野は、工場などの排熱を活用した発電に応用が可能であり、地球温暖化対策の解決策として期待される技術です。

陳教授は、これまでに300以上の科学論文を発表し、3万以上の引用数と97のH指数を誇っています。また、国際熱電会議、ヨーロッパ国際セラミック会議、MRSなどの国際会議で50回以上の基調講演や招待講演を行っています。彼は2023年に中国科学院の会員に選出され、現在、国際熱電学会の理事を務めており、アジア熱電協会の初代会長も務めています。熱電分野の優れた科学者として、高性能なマルチフィルドスクッテルダイトの設計、Cu系液体のような熱電材料の開発、変形可能な無機半導体と柔軟な熱電デバイスの発見、高効率かつ高信頼性の熱電デバイスの設計および製造技術など、熱電材料とデバイス技術の発展に大きく貢献しました。

熱電分野におけるグリーンテクノロジーの活用など、人類社会が直面する地球規模課題の解決に貢献した功績を称え、東北大学国際功労賞科学技術賞を授与します。

4.「海外同窓会アウォード」

東北大学インドネシア同窓会

授賞理由

東北大学インドネシア同窓会(IATU)は、東北大学の学問的な強みを広め、特に高校生を対象とした大規模イベントを通じて優秀な留学生を惹きつけた貢献が評価され、3年連続で表彰されました。2010年に設立されたIATUは、高校生への大学の宣伝を目的した「IATU DAYS」や数百人の参加者を集めたウェビナーなど、継続的に影響力のあるイベントを開催してきました。これらの取り組みにより、東北大学の魅力がインドネシアで広がり、同窓生と将来の学生との強固なつながりが育まれています。さらに、IATUのリーダーシップは、東北大学とインドネシアの主要大学との二国間会議を組織することで、国際的な協力を促進し、東北大学の国際的な地位を向上させ、その影響力を拡大しています。


各受賞者および受賞団体代表者からはビデオメッセージが寄せられ、受賞の喜びとともに自身の留学時代の思い出や本学との交流への思い、そして、今後の本学の国際展開についての期待などが語られました。

受賞者発表に続いて、東北大学学友会応援団から受賞者・受賞団体の皆様への祝福のエールが贈られました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なお、「国際功労賞」「海外同窓会アウォード」の両部門とも、別途本学で実施される表彰式に受賞者及び受賞団体の代表者をご招待する予定です。

今回のアウォードの実施を通じ、本学ゆかりの方による国際的な活躍について認知度を上げるとともに、海外同窓生による交流活動等を奨励することで、本学と海外ステークホルダーの更なる連携強化につながることが期待されます。

 

問い合わせ先
国際連携部 国際企画課 国際事業係
TEL:022-217-4844
E-Mail:kokusai-r@grp.tohoku.ac.jp