題目
模範としての外国と清末の政治改革
―― 憲法運動を中心として――
報告者
エガス・モニス=バンデイラ
(マドリード・アウトノマ大学博士研究員)
コメンテータ
朱琳(東北大学国際文化研究科准教授)
要旨
康有為(1858-1927)は1898年に彼自身が書いた日本の政治改革に関する研究において、「近代国家への政治改革は、欧米においては300年の時間を必要とした、日本においては、それを模倣して30年を費やした」と言い、「中国では、3年以内に基礎的な政治改革を推進できる」と明言した。数年後の1905年に清朝政府はようやく「立憲制への準備を進めていく」と宣言した。このことを契機として、官僚及び知識人たちの間には、清朝政府が立憲制を取るにあたってどれほどの時間を必要とするべきかを巡り大論争が起きた。しかし、十分な憲法を頒布するという目標が実現されることはなく、清朝はその憲法がきっかけとなり滅びた。それゆえに、従来の研究では、20世紀初頭の中国における立憲運動は、ただの輸入品で、明治期の日本のような移植は中国においては失敗してしまった試みに過ぎないと考えられている。しかしながら、これは物語の一部に過ぎない。中国の立憲主義者は、ヨーロッパと日本の歴史的経験について議論をしていたのみならず、それによって近代的な世界において共通した基礎的な政治構想と法律概念も取り入れて独自な理解を形成していた。実際のところ、20世紀初頭、中国、ロシア、オスマン帝国、及びペルシア帝国などの国において立憲運動が起きていることからも、「憲法」は世界的かつ不可避的な概念となった。
日時
2019年3月7日(木)
16:30-18:00
会場
東北大学川内南キャンパス
文学研究科611演習室(6F)
問い合わせ先
mm.jih.tohoku@gmail.com

