「生体の計測・分析技術」
マイクロサーミスタを用いた単一細胞の熱物性計測
背景:従来の光学的手法では達成できなかった温度分解能と時間分解能で熱物性の精密な計測を実現.
成果:周辺環境温度や加熱時間によって細胞自身が熱伝導率と比熱を変化させることを解明.
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関連文献
Lab Chip, 23, 2411-2420 (2023)
Sensing and Bio-Sensing Research, 27, 100309 (2020)
東北大学プレスリリース,細胞1個の熱伝導率や比熱を精密に測定できる新技術を開発
「メタマテリアル」
フォノニックメタマテリアルを用いた結晶格子の機械振動伝搬制御
背景:機械共振センサの性能を向上するには振動エネルギーの制御が重要 (例えば,高感度にしたい場合は振動エネルギーを逃がさず,応答を早くした場合は早くエネルギーを逃がす).
成果:伸ばして周期を変えることができる微小構造 (可変フォノニックメタマテリアル) を用いて,振動エネルギーを貯めたり逃がしたりすることをシリコン(Si:マイクロシステムでは主要な材料)で初めて実現.
![]() ( 中央は評価に用いた機械振動子) |
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関連文献
Scientific Reports, 12, 392 (2022)
「センサ性能の向上」
超高分解能機械共振温度センサ(液体試料仕様)
背景:高感度が特徴である機械共振センサは液中では本来の性能を発揮できないが,細胞は液中でないと生きられないというジレンマ.
成果:マイクロ流体チップ内で真空環境と液体環境の共存を実現し,79µ℃の温度分解能を達成(世界最高値).単一細胞の独特な温度上昇を初観測.
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![]() (従来の86倍の感度を達成) |
![]() (急峻な温度上昇を定期的に観測) |
関連文献
Lab Chip, 23, 2411-2420 (2023)
Appl. Phys. Lett. 100, 154104 (2012)
液体熱電対
背景:既存の固定熱電材料よりもイオン液体熱電材料の方が性能はよい.熱電対は異種材料を接触させる必要があるが,液体同士の接触は界面を維持できない.
成果:マイクロ流体チップを用いて異種イオン液体を電気的に接触させることで液体熱電対を実現.その性能は従来の個体熱電対の性能の10倍以上.
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関連文献
IEEE Sensors Letters , 3(5), 2501304 (2019)
「新原理センサの開発」
反磁性体の磁気浮上を用いた完全非接触温度センサ
背景:温度センサの性能を向上するには熱の逃げを防ぐことが重要.しかし,既存のセンサは配線などから熱が逃げる.
成果:反磁性体のグラファイトを温度センサとして用いてセンサ部を浮かせることで完全非接触を実現.
![]() グラファイトを用いた磁気浮上温度センサ |
![]() 市販の装置(上)と本センサ(下) |
関連文献
IEEJ TRANSACTIONS ON ELECTRICAL AND ELECTRONIC ENGINEERING, 15(5), 773-774
(2020)