東北大学 吉田研究室

4.光秘匿通信に関する研究

 現代の情報社会において、セキュリティとプライバシー保護の観点から通信データの秘匿性向上は大変重要な課題である。 今日の光通信システムを飛び交うデータには、素因数分解の困難性や複雑な数学的操作を利用した計算量的安全性を保証する数理暗号が適用されている。 しかしながら、近年の量子コンピュータの進展によりその脆弱性が指摘されている。
 本研究室では、従来の数理暗号を施した暗号の信号レベルを超多値化し、そこへ光雑音を付与することで盗聴者の測定誤り率を高めた光秘匿通信技術を開発している。 盗聴者は数理暗号の解読を始める前に、光雑音の中に埋もれた暗号の信号レベルを正しく検出する必要がある。 このように本方式は従来の数理暗号へ物理暗号を融合したハイブリッド暗号と呼べる。企業との共同研究により本技術の社会実装を目指している。

モード同期技術を用いたパルスレーザ光源の構成と特徴