研究内容の紹介


熱電変換

熱電変換とは固体内の電子やホールといった伝導キャリアを利用して 電気エネルギーと熱エネルギーを相互に変換する技術です。 右図は熱電半導体で電子冷却する場合の素子構成を示しています。 直流電流が流れるとキャリアが熱を運ぶため上の面が冷えます(ペルチェ効果)。 逆に、素子の上下に温度差を与えると電流が流れます(ゼーベック効果)。 これらの効果を利用すると、冷媒不要の電子冷却システムや、 ガスを発生せず騒音・振動がない廃熱利用発電システムを作ることができます。 実際に、Bi2Te3半導体を用いた熱効率7%程度の電子冷蔵庫等が 実用化されていますが、一般に普及するまでには至っていません。 省エネルギー化とクリーンエネルギー社会の実現に向けて、 毒性を持たず安価な新規熱電半導体の開発が盛んに行われています。

ペルチェ効果による電子冷却