成果発表時のお願い
成果発表の際には、以下の例文を参考に、謝辞を記載していただきますようお願いいたします。
(例) A part of this study was performed at the Micro/Nano-machining Research Education Center (MNC) of Tohoku University.
電子スピン磁気共鳴力顕微鏡を用いた3次元イメージング
マイクロメートルの微小試料に対して、ナノメートルの分解能で電子スピン(ラジカル)のイメージングを可能にする超小型3D
MRI技術を開発した。これまでの磁気共鳴力顕微鏡における長時間のスキャニング問題を解決するとともに、高感度と広範囲な計測を両立する超小型3D MRIの開発につながることが期待される。
利用装置 | EB 描画装置、FAB、Mask aligner (SUSS)、ICP-RIE #2 |
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論文 | Masaya Toda and Takahito Ono, “Three-dimensional imaging of electron spin resonance-magnetic resonance force microscopy at room temperature,” Journal of Magnetic Resonance 330, 107045 (2021). https://doi.org/10.1016/j.jmr.2021.107045 |
シリコン薄膜開口と微粒子捕捉構造を用いたマイクロ流路の評価
液体中の微小体を電子顕微鏡で観察できるよう、薄いSi窓を持つマイクロチャンネルを作製したものである。マイクロチャネル内部にポール状の微小体トラップ構造を設けており、酵母細胞やラテックス粒子の観察に成功した。
利用装置 | Mask aligner (SUSS)、CCP-RIE #1、RF magnetron sputter (Shibaura) #2、電解めっき装置、イオンビームミリング装置、ICP-RIE #2、熱電子SEM |
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論文 | Masaya Toda, Hideki Hayashi, Nguyen van Toan, Naoki Inomata, and Takahito Ono, “Evaluation of Microfluidic Channels With Thin Si Windows and Trapping Structures,” Journal of Microelectromechanical Systems 30(4), 560–568 (2021). https://ieeexplore.ieee.org/document/9431372 |
高性能スーパーキャパシタのための電鋳酸化マンガンを有する垂直配向グラフェン
SiO2保護膜を施したシリコン基板上に、垂直配向グラフェン(VG)とMnO2からなるスーパーキャパシタ電極を合成した。VG/SiO2/SiとMnO2/VG間の強い結合により、初期状態に対する5000サイクル後のキャパシタ性能は99.29 %であり、優れた安定性を示している。
利用装置 | プラズマダイヤモンドCVD |
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論文 | Hongtao Sui, Nguyen Van Toan, and Takahito Ono, “Vertically-oriented graphene electrodeposited with MnO2 on native SiO2/Si for high-performance supercapacitor electrodes,” Journal of Electroanalytical Chemistry 895, 115507 (2021). https://doi.org/10.1016/j.jelechem.2021.115507 |
パリレンスプリングと埋込み磁石を用いた磁気アクチュエータ
小型アクチュエータはスマホの手ブレ防止に有望であるが、変位が小さいという課題がある。そこで、剛性の低いパリレンスプリングと磁石を用いることで、大変位可能な磁気アクチュエータを作製した。作製したアクチュエータは変位200 µmを実現できた。
利用装置 | 芝浦スパッタ、パリレンコータ、ICP-RIE #3 |
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論文 | Huayu Wang, Masashi Matsuura, Shusuke Yamada, Satoshi Sugimoto and Shuji Tanaka, “Temperature stable rare earth magnetic powder Sm-Fe-N based micro magnets with remanence enhanced by easy axis alignment and its application in MEMS actuator,” J. Micromech. Microeng. (2021) 075002 (10pp), May. 2021, pp. 1–10. https://doi.org/10.1088/1361-6439/abfeb3 |
MEMSメタマテリアルを用いたテラヘルツ帯チューナブルフィルタ
メタマテリアルの構成要素をマイクロアクチュエータにより可変とすることで、メタマテリアルの示す特異な光学特性と動的なチューナビリティを両立した「MEMSメタマテリアル」を実現できる。テラヘルツ帯で応答する電磁誘起透明化(EIT: Electromagnetically Induced Transparency)メタマテリアルにマイクロアクチュエータを組み込み、EITメタマテリアルを構成する双極子と四重極子の間のギャップを制御することで、透過率可変チューナブルフィルタを開発した。次世代無線通信(Beyond 5G/6G)を担うテラヘルツ波制御への応用が期待される。
利用装置 | レーザ描画装置、Mask aligner (SUSS)、RF magnetron sputter (Shibaura)、ICP-RIE |
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論文 | Y. Huang, K. Nakamura, Y. Takida, H. Minamide, K. Hane, and Y. Kanamori, “Actively tunable THz filter based on an electromagnetically induced transparency analog hybridized with a MEMS metamaterial,” Scientific Reports 10, 20807 (2020). https://doi.org/10.1038/s41598-020-77922-1 |
可動メタマテリアルを用いた光学力覚センサ
金属–誘電体–金属(MIM: Metal–Insulator–Metal)メタマテリアルを構成する誘電体層をエアギャップとすると、力によって誘電体層の厚みが変化する「可動メタマテリアル」を構成できる。反射スペクトルに見られる共鳴ピークシフトを測定することで、ダイアフラム上に加わる力を計測可能な光学力覚センサを開発した。このセンサは従来のファブリ・ペロー干渉式の光学力覚センサよりも高感度なセンサを実現できる。
利用装置 | EB 描画装置、EB蒸着、イオンビームミリング、高分解能SEM |
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論文 |
T. Okatani, S. Sekiguchi, K. Hane, and Y. Kanamori, “Surface-plasmon-coupled optical force sensors based on metal–insulator–metal metamaterials with movable air gap,” Scientific Reports 10, 14807 (2020). https://doi.org/10.1038/s41598-020-71825-x |
先端半導体パッケージングによる高集積フレキシブル・ハイブリッド・エレクトロニクスの開発
フレキシブルデバイスの性能、集積度、柔軟性を向上させるため、圧縮成型を基盤とするファンアウトウエハレベルパッケージ(FOWLP)技術を用い、異種デバイスのチップレットをフレキシブル基板に内蔵したヘテロインテグレーションに関する研究に取り組んだ。本研究では、光電式容積脈波(PPG)によるSpO2モニタリングを目的として、微小なチップの高精度アセンブリを実現し、μLEDと駆動回路、フォトダイオードなどをPDMSに集積することに成功した。
利用装置 | Mask aligner (SUSS)、パリレン蒸着装置、レーザ描画装置、高分解能 SEM |
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論文 | T. Fukushima, Y. Susumago, Z. Qian, C. Shima, B. Du, N. Takahashi, S. Nagata, T. Odashima, H. Kino, and T. Tanaka, “Significant Die-Shift Reduction and μ LED Integration Based on Die-First Fan-Out Wafer-Level Packaging for Flexible Hybrid Electronics,” IEEE Trans. Components, Packag. Manuf. Technol., vol. 10, no. 8, pp. 1419–1422, Aug. 2020. https://doi.org/10.1109/TCPMT.2020.3009640 |
スパイキングニューラルネットワークに向けた神経機能を再現する半導体メモリの開発
スパイキングニューラルネットワークをハードウェア上で実現するためには神経細胞機能を再現可能な素子が必要である。本研究では大容量と低電圧動作の両立を可能とする不揮発性トンネルFETメモリを作製し、神経細胞機能の一つであるスパイクタイミング依存可塑性を再現可能であることを示した。
利用装置 | EB 描画装置、イオン注入装置、ICP-RIE #1、JEOL-SEM、熱酸化炉、水素アニール炉、LP-CVD、プラズマ SiN-CVD、RTA #1、二周波励起 RIE、他 |
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論文 | H. Kino, T. Fukushima, and T. Tanaka, “Generation of STDP With Non-Volatile Tunnel-FET Memory for Large-Scale and Low-Power Spiking Neural Networks,” IEEE J. Electron Devices Soc., vol. 8, no. July, pp. 1266–1271, Mar. 2020. https://doi.org/10.1109/JEDS.2020.3025336 |
プラズモニックカラーフィルタを用いた小型分光器
金属ナノ構造を利用した「プラズモニックカラーフィルタ」は、様々な色特性のフィルタを僅か数十ナノメートルの厚さで一括形成できるなど、色素吸収を用いた従来のカラーフィルタには無い様々な利点を有する。プラズモニックカラーフィルタをフォトダイオードアレイ上に作製することで、従来の分光器より桁違いに小さく、指先に乗るほどの大きさの小型分光器を開発した。
利用装置 | レーザ描画装置、EB 描画装置、Mask aligner (SUSS)、イオン注入装置、RTA、TEOS CVD、RF magnetron sputter、EB蒸着、FAB、高分解能SEM |
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論文 | Y. Kanamori, D. Ema, and K. Hane, “Miniature spectroscopes with two-dimensional guided-mode resonant metal grating filters integrated on a photodiode array,” Materials 11, 1924 (2018). https://doi.org/10.3390/ma11101924 |
単一細胞の熱計測に向けたマイクロ流体チップ内での真空封止共振子を用いた超高感度温度センサ
ガラス製のマイクロ流体チップ内に、流路のみでなく、Si製のマイクロ機械振動子(共振温度センサ)を作り込み,溶液中の微小体の温度計測を行うデバイスである。共振温度センサ側のキャビティは流路と干渉することなく真空引きも可能である。
利用装置 | Mask aligner (SUSS)、ICP-RIE #2、マイクロシステムアナライザ |
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論文 | Naoki Inomata, Masaya Toda, and Takahito Ono, “Highly sensitive thermometer using a vacuum-packed Si resonator in a microfluidic chip for the thermal measurement of single cells,” Lab on a Chip 16, 3597–3603 (2016). https://doi.org/10.1039/C6LC00949B |
MEMS駆動シリコン導波路を用いた光スイッチ
「シリコン導波路」は次世代光通信を担う光回路の要素技術である。シリコン導波路をマイクロアクチュエータによって駆動し、マイクロディスク共振器との光結合効率を制御することで、光通信経路を切り替える光スイッチを開発した。
利用装置 | EB 描画装置、FAB、高分解能SEM |
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論文 | Y. Kanamori, Y. Sato, and K. Hane, “Fabrication of silicon microdisk resonators with movable waveguides for Control of Power Coupling Ratio,” Japanese Journal of Applied Physics 52, 06GL19 (2013). https://doi.org/10.7567/JJAP.52.06GL19 |
STT-MRAMチップの三次元積層
STT-MRAMスピン注入磁化反転(spin transfer torque:STT)と呼ぶデータ書き換え技術を用いた磁気抵抗変化型メモリであるが、耐熱性が低いという課題がある。本研究ではプロセスによる熱負荷を抑制することでSi貫通配線(Through Si Via: TSV)を用いたSTT-MRAMを有する集積回路チップの三次元積層化に成功した。
利用装置 | プラズマ/オゾンTEOS CVD、EVG Bonder、JEOL-SEM、ICP-RIE #2 |
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論文 | T. Tanaka, H. Kino, R. Nakazawa, K. Kiyoyama, H. Ohno, and M. Koyanagi, “Ultrafast parallel reconfiguration of 3D-stacked reconfigurable spin logic chip with on-chip SPRAM (SPin-transfer torque RAM),” in 2012 Symposium on VLSI Technology (VLSIT), Jun. 2012, pp. 169–170. https://doi.org/10.1109/VLSIT.2012.6242515 |
フォトニック結晶を用いた光通信用反射率可変フィルタ
「フォトニック結晶」は光波長程度の微細周期構造で、光を遮断・閉じ込める機能を持つ。マイクロアクチュエータでフォトニック結晶を高精度に位置制御することで、ナノ光共振器の光結合効率を制御し、光遮断特性を制御する反射率可変フィルタを開発した。
利用装置 | EB 描画装置、RF magnetron sputter (Shibaura)、FAB、高分解能SEM |
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論文 | Y. Kanamori, T. Kitani, and K. Hane, “Control of guided resonance in a photonic crystal slab using microelectromechanical actuators,” Applied Physics Letters 90, 031911 (2007). https://doi.org/10.1063/1.2431452 |