環境・エネルギー経済学分野 松八重研究室

研究内容

本研究室では、
農業用栄養塩類と金属資源のマテリアルフロー分析、マテリアルフロー統合産業連関モデルの開発と応用、ライフサイクルアセスメント、環境影響評価、サプライ・チェーン分析、リン/窒素フットプリントの推定を中心に研究を展開しています。
また、鉱物資源の採掘に伴う土地改変の研究や、 温暖化リスク緩和技術が必要とする追加的鉱物資源利用に伴う環境撹乱にも強い関心を持って取り組んでいます。
さらには、鉱物資源の国際的なサプライチェンリスク解析・可視化手法も、科学技術イノベーション政策のためのリソースロジスティクスとライフサイクルリスク管理手法も開発しています。

研究室紹介

食糧を通じて生じる窒素・リンの環境負荷

食料生産には、私たちの口に入るよりはるかに多くの窒素・リンが 肥料投入されている。しかし、大気中の窒素を肥料として使うためには、基本的には多量のエネルギーを使ってアンモニア合成をする必要が ある。 リン肥料の一次資源であるリン鉱石は世界の限られた地域でしか採れず、一次資源の全量を輸入に頼っている日本にとっては、供給 リスクがある。
また、硝酸やアンモニア、窒素酸化物などの窒素化合 物は大気や水質を、リンは水質を汚染する。世界人口と畜産物需要は 増加傾向にあるため、このような窒素・リンによる環境負荷の増大が 懸念されている。フットプリント指標は、需要を満たすために製品などのライフサイクル全体を通じて発生するこのような環境負荷を測るものである。

関連する研究テーマ:
  • 滋賀県琵琶湖流域経済圏におけるリンのマテリアルフロー解析
  • 半導体産業に着目した窒素のマテリアルフロー分析
  • 汚泥に含まれる金属元素のマテリアルフロー分析
  • 廃棄物産業連関モデルに基づくハイブリッドLCA
  • リン資源のリソースロジスティクスに基づく資源調達リスクの可視化
  • 未利用合金元素の積極活用に向けたスクラップソーティング

    鉄鋼材を合金元素の運び手として見た際の、鉄鋼資源循環に関わる資源拡散・散逸を最小化する研究です。
    鉄鋼生産プロセスでは合金元素であるマンガン,ニッケル,クロム,モリブデン,タングステン、バナジウム等の稀少資源の国内需要の大半を消費しています。
    また、マンガン、ニッケル、クロムをはじめとした、各種レアメタルを鉄鋼合金元素として含有しています。
    しかしながら自動車をはじめとする鉄鋼材を含む製品の廃棄・再資源化工程に目を向けると、これらのレアメタルは回収されることなくスラグに移行・拡散したり、あるいは鋼材に含まれる不純物質として蓄積されたままになっています。
    これまで本研究グループでは鉄鋼合金の散逸・拡散を最小に抑えるためのソー ティングをどのように行うべきか定量的な解析を行ってきました。
    特に自動車用鋼材に着目をした合金元素のマテリアルフロー解析では、循環資源の質を考慮した自動車リサイクルの提案をおこなっております。

    関連する研究トピックス:
  • 動的MFAを用いた鉄鋼資源循環に伴う合金フロー 解析
  • 動的MFAモデルを用いた都市鉱山としての将来利 用可能量の推計
  • 自動車の技術変化と素材に着目した関与物質総量の 分析
  • 科学技術イノベーション政策とリソースロジスティクス

    ライフサイクル視点に基づく資源の流れの可視化と、科学技術イノベーション政策をつなぐ試みについてです。
    独立行政法人科学技術振興機構社会技術研究システム(JST-RISTEX)における「科学技術イノベーション政策のための科学」研究開発プロジェクトのもと、松八重先生がプロジェクトの代表を務める「リソースロジスティクスの可視化に立脚したイノベーション戦略策定支援」その中でリソースロジスティクスを明らかにすることで科学技術イノベーション政策立案・実施に貢献しようとしてきました。
    「リソースロジスティクス」はプロジェクト提案の際に生み出された単語で「サプライチェーンを通じて直接・間接に需要される資源の流れを、生産から消費、 廃棄に至るまでのライフサイクルプロセス全体で情報を把握することで、科学技術イノベーションに関与する資源の流れを戦略的に管理すること」を意味し、その可視化のためのツールとしてMFA,CAならびにサプライチェーン分析を用いています。
    社会における消費・生産活動はエネルギー・資源の消費を必要とし、廃棄物や環境負荷の排出を伴います。
    研究室ではライフサイクルの視点を持って、持続可能な資源循環システムの構築を目指し、経済活動に伴う資源・エネルギーの需給構造、物質フロー、廃棄物・副産物の量と質、資源のサプライチェーンに存在・潜在する様々なリスクの解析、資源調達の上流側で発生する環境負荷・社会影響の定量評価、並びにそれらに関連する技術変化や社会・ 経済事象について研究を行っています。

    関連する研究トピックス:
  • 銅採掘に伴う国際的なサプライチェーンリスク解析
  • ニッケルの国際的なサプライチェーン背後にある リスク要因の分析
  • リソースロジスティクスに基づく資源調達リスク の可視化手法の開発
  • 鉱石採掘活動に伴うリハビリテーションプロセス に関するLCA

  • アクティブレポート

    2022年度

    2021年度

    2020年度

    2019年度

    2018年度

    2017年度

    2016年度