シリーズ 青葉山 97  ヤブムラサキ 


 

 
々の葉はいよいよその緑を深くし、
すっかりやみに閉じこめられた林内。


1月に見つけたヤブムラサキ(右)を探して歩く。
 

 

 

冬より一段階、新しい枝が成長していた。葉の付け根から出ている枝の先には、毛皮のようにふっくらした萼(がく)をまとった花が咲いている。冬の実の色と似ているのが面白い。


モンシロチョウがヒメジョオンの周りを飛び回る。ニイニイゼミもそろそろ鳴き始めるだろう。雑木林は虫たちの王国が広がってゆく。

 (河北新報社提供 初出 1991.6.29)

 


ヤブムラサキ
Callicarpa mollis Sieb. et Zucc.
クマツヅラ科

園内全域の林縁や林内にふつう。

近縁で良く形が似ているムラサキシキブに比べて枝、葉、花序や萼(がく)に軟毛が密生していることが特徴です。ヤブムラサキやムラサキシキブは紅紫色のつぶらな果実が印象的で美しく、古くから詩に詠まれたり庭木として利用されてきました。
→ヤブムラサキ冬の実(青葉山5)   →ムラサキシキブ(実の写真)

モンシロチョウ
Pieris rapae L. ssp. crucivora Boisduval
シロチョウ科

植物園の林内のような暗い場所には少なく、耕作地など開けた場所で見られます。植物園内ではモンシロチョウによく似ていて林縁を好む近縁のスジグロシロチョウ(青葉山153)のほうが普通に見られます。植物園展示ホールには両種の標本が展示してあります。