シリーズ 青葉山 153  サラシナショウマ 


 

 

黄色に色づき始めたオニグルミの木の下。天狗(ぐ)の鼻のような長い花をつけているのはサラシナショウマ。

よく見ると茎に柄のある小さな花が穂状についている。

実はこの植物は、雌雄のしべを持つ両性花と雄しべだけの雄花がある。

スジグロシロチョウ(シロチョウ科)は蜜(みつ)のある両性花をちゃんと知っていて、ゆっくりと羽を動かしながら蜜を吸っている。

 

キンポウゲ科の多年草。

花の長さは約30cm。白い糸のように見えるのは雄しべの花糸。
(河北新報社提供 初出 1991.10.15)

サラシナショウマ
Cimicifuga simplex Wormsk.
キンポウゲ科

園内で自生の記録はありません。

青葉山周辺ではあまり目にしない植物ですが、林縁や草原に生育し高さが約1.5mにもなるので、花が咲いていれば長さ20-30cmの白い花序は遠くからもよく目立ちます。根茎を漢方で「升麻(しょうま)」と称して解熱などに用います。「サラシナ」の名は若芽をつんで水にさらして食べたことに由来するとされています。

スジグロシロチョウ
Pieris melete Menetries
シロチョウ科

スジグロシロチョウはモンシロチョウ(青葉山97)に近縁で形態もよく似ています。春から秋まで成虫が見られ、モンシロチョウよりやや暗い環境(林縁から林内)を好み、非常に幅広い花を訪れて吸蜜します。