シリーズ 青葉山 58  リョウブ 


 


に差し込むやわらかな光を浴びて、遊歩道を歩いた。林床を彩ったカタクリの花は、もう散っている。

 

左は3月下旬の冬芽。芽を覆っていた鱗片(りんぺん)が、成長とともに割れ「陣笠(じんがさ)」のようだ。

陣笠はどこかへ飛び去り、枝先に若葉がパッと開いた。

 

落葉樹の芽吹きが一斉に始まり、樹花も咲き始めた。

滑らかな、まだら模様の樹皮はリョウブの特徴。

森の中でも、すぐに見分けられる。

 
(河北新報社提供 初出 1991.4.24)
 


リョウブ
Clethra barvinervis Sieb. et Zucc.
リョウブ科

南門周辺などの林縁や明るい林内にふつう。

主に尾根筋に生育しており、高さは5〜10m程度になります。乾燥に強く、樹皮が美しいので庭木とされることもあります。リョウブの若葉はあく出しをして食べることができ、古くから救荒食として利用されてきました。ただし、好んで食べるほどの味ではないようです。リョウブは「令法」と書き、その名は葉の採取と貯蔵を命じた法令に由来するのではないか、と言われています。

リョウブの花については
 → (青葉山104)オオウラギンスジヒョウモン
 → (青葉山124)アオバセセリ