シリーズ 青葉山 124  アオバセセリ 


 

 

 

 
ョウブの花に、セセリチョウ科でも最大のアオバセセリがやって来た*。青地にオレンジ色のアクセントは、南の島のチョウを思わせる。

木々の間を抜けて進むと、今度は数匹のアオバセセリが、ぐるぐる2-3mの円を描いて飛んでいた。「旋回飛翔(ひしょう)」と呼ばれる行動だ。それぞれ一定の間隔を保ち、円内に侵入する仲間は追い払われる。

アオバセセリは幼虫時にも、面白い行動をとる。食草はアワブキの葉だが、食用以外に、葉を丸めて「巣」もつくってしまう。もちろん、すみかを食べるようなことはない。

翅開張5cm。

(河北新報社提供 初出 1991.8.15)

 


アオバセセリ
Choaspes benjaminii Guerin-Meneville
セセリチョウ

アオバセセリは国産のセセリチョウの中でも最も美しい種に数えられます。仙台周辺では比較的簡単に見つけることができ、花で吸蜜している所や水辺で吸水しているところにお目にかかることがあります。仙台周辺ではアワブキが主な食草と考えられます。一般には暖地に多い種です。

* 沖縄に生息しているバナナセセリを含めると、こちらが最大のセセリチョウになります。この種はベトナム戦争の時期にインドシナから侵入したものらしく、その名の通り、バナナをはじめとしたバショウ科の植物を食害します。

リョウブ
Clethra barvinervis Sieb. et Zucc.
リョウブ科

南門周辺などの林縁や明るい林内にふつう。

→ リョウブ(青葉山58) 冬芽と芽吹き、リョウブの説明はこちらにあります。