シリーズ 青葉山 59  ヒトリシズカ 


 


だまだ葉の小さいヒトリシズカが、背伸びするように咲いていた。

「シズカ」は、源義経の側室となり、悲運をたどった静御前のこと。「ヒトリ」と言うわりには、一株から多数の茎を伸ばして群生する。

四枚の葉の間から、白いブラシのような「花穂」がのぞいている。

白く見えるのは花びらではなくて雄しべの「花糸」の部分。雌しべは、この中に包まれるように付いている。

 

 この花が終わると、今度は複数の花穂を付けたフタリシズカが咲き出す。林は春から初夏へと、少しずつ装いを替えていく。 

 
(河北新報社提供 初出 1991.4.25)
 


ヒトリシズカ
Chloranthus japonicus Sieb.
センリョウ科

林中に生える多年草。

仙台近郊の丘陵地ではしばしば目にしますが、1990〜91年に行われた植物相の調査では、園内で自生は確認されませんでした。