シリーズ 青葉山 41  ノイバラ 

 
 


月中旬、山野に春の訪れを告げたマンサク*の黄色い花も散り始め、林床ではセリバオウレン**が今を盛りと咲き誇っている。
 
 
かれんな花を踏みつけないよう気遣いながら歩いていくと、不意にセーターの袖口を引っ張られた。ノイバラだ。鋭いトゲがしっかりと編み目に食い込んで離さない。
 
 
初夏、ノイバラは枝先に直径2cmほどの白い花を無数に付ける。芳香が漂い、ハチが蜜を求めて飛び交う。そんな季節が待ち遠しい。
 
 
雲が流れていく。顔を出した太陽を浴び、真っ赤な葉芽は一段と鮮やかさを増した。


(河北新報社提供 初出 1991.3.27)


ノイバラ
Rosa multiflora Thunb. ex Murray
バラ科

中島池跡周辺などの草地や林縁にややふつう。
* マンサク(青葉山16)
** セリバオウレン(青葉山35)