シリーズ 青葉山 197  オニグルミ 


 
 

 
の落ちた跡、「葉痕」が猿の顔のようだ。"目"と"口"に当たる三カ所は、「維管束痕」。葉に樹液を送り込んでいたパイプの跡だ。顔の数を数えると、枝に、葉が何枚付いていたかが分かる。

写真はまだ果実が小さかったころの木。しかし、木の早いリスは、もう"偵察"に来ていた。
左は種子。人間の歯ではとても割れないが、ネズミやリスは簡単に穴を開けてしまう*。
クルミ科の落葉高木。
(河北新報社提供 初出 1991.12.10)

オニグルミ
Juglans mandshurica Maxim. var. sachalinensis (Miyabe et Kudo) KItamura
クルミ科
沢筋などのやや湿った場所にふつう。

オニグルミはシジミチョウ科の1種、オナガシジミの食樹として知られています。種子はネズミやリス、カラスが持ち去り、地面に埋めて貯食します。こうして散布された種子のうち、忘れられて運良く食べられなかったものが翌春発芽します。

* 穴を開けるのはアカネズミで、リスの場合は縫合線に沿ってかじり、二つに割ります。ハシボソガラスはなわばり内のあちこちに貯蔵したクルミを少しずつ取り出して1年中食べています。

→ カラスとクルミ / → オニグルミ(青葉山76)