シリーズ 青葉山 196  ノササゲ 


 
 

 
く伸びたクヌギやカエデの影。雑木林の奥まで、太陽の光が差し込んでいる。小春日和の続いた青葉山。しかし、移動性高気圧も東海上へ去り、気温も下がってきた。高い山では雪になるかもしれない。

針金のような茎から、紫色の種子がぶら下がっていた。マメ科のこの植物、さやが割れると種子は飛び散りそうだが、なかなか離れない。一個一個の種が"へそ"でつながっているのだ。

西の風が強くなってきた。つるは大きく揺れ、種子はしっかりとしがみつく。

つる性の多年草。

(河北新報社提供 初出 1991.12.7)

ノササゲ
Dumasia truncata Sieb. et Zucc.
マメ科
残月亭北東斜面などの林縁や明るい林床にややふつう。

日本特産で本種から九州に分布します。和名は野生のササゲ、の意でしょう。

ノササゲの花 / ノササゲの実

栽培される「ササゲ」のほうは豆果の長さが20-30cmあり、若いさやや熟した豆を食用にします。アフリカ原産で日本には平安時代に伝わり、同属のアズキ*とともに煮豆や餡(あん)、赤飯に用いられます。

* アズキは東アジア原産とされています → アズキの原種とも言われるヤブツルアズキ