シリーズ 青葉山 194  サワシバ 


 
 

 

 
沿いに登る。流れに手を差し入れると、冷たさで一瞬体が緊張する。ふと見上げると、みの虫姿の果実が目に入った。サワシバだ。

「おじいさんは山へしば刈りに...」。このサワシバをはじめ、イヌシデ、アカシデ*などのシデ類は薪(まき)や炭によく利用され、昔から人間が恩恵を受けてきた樹木の一つだ。

果実がほつれ、クルクルと落ちた。堅い種子を一粒ずつ乗せて、小舟の形の苞(ほう)が幾つも水面を流れて行く。残りわずかなウリハダカエデの葉も、一気に散った。

カバノキ科の落葉高木。

(河北新報社提供 初出 1991.12.5)

サワシバ
Carpinus cordata Blume
カバノキ科
本沢や深沢などの林縁にややふつう。

水分の多い肥沃な場所に好んで生育します。園内では本沢かメグスリ坂への登り口辺りに多く見られます(地名地図)。高木になりますが比較的寿命が短いため、巨木はみられません。

近縁のシデ類 → イヌシデ(青葉山13) / アカシデ(青葉山31)