Tohoku Univ.
東北大学大学院工学研究科量子エネルギー工学専攻
/ 東北大学機械知能・航空工学科
エネルギー物理工学講座
核融合プラズマ計測学分野
大石・高橋(宏)研究室

研究紹介

はじめに

当研究室は、2020年4月より2025年3月まで飛田健次教授により率いられた飛田研究室を継承し、2025年4月から大石・高橋(宏)研究室としてプラズマ・核融合の研究・教育を行っています。

核融合炉内には、1億℃を超える高温の炉心プラズマから、1万℃程度の低温となる周辺プラズマまで、幅広い温度領域のプラズマが共存しています。私たちはこの難解で興味深い研究対象の解明に、実験とシミュレーションの両面から挑戦します。私たちの研究室が積み上げた研究成果を、国内外の研究機関との共同研究によってさらに発展させ、核融合エネルギーの実現に貢献したいと考えます。

大石 鉄太郎

研究概要

磁場閉じ込め型の核融合炉ではダイバータと呼ばれる機構を備えた配位が標準的な配位とされています。ダイバータ配位による核融合炉では、炉心から漏れ出したプラズマは最終的にダイバータで終端します。核融合反応を利用するために炉心プラズマは1億度を超える高温となっているため、炉心から漏れ出すプラズマによりダイバータが受熱する熱量は数十MW/m2にのぼる可能性があります。このような高熱流を制御するため、ダイバータ板手前でプラズマを中性化し隔離する非接触ダイバータと呼ばれる熱流制御手法が提案されています。非接触ダイバータの形成過程では体積再結合と呼ばれる過程が極めて重要な役割を担うことが分かっています。しかし、ダイバータ領域はプラズマと中性粒子が強く結合するため、体積再結合に加えて多様な原子過程・分子過程が共存しています。これら素過程の理解や定量的な評価は十分とは言えません。当研究室では、ダイバータプラズマ中で進展する複雑な原子分子過程の解明や、それに基づき先進核融合炉ダイバータの開発を推進し、磁場閉じ込め型の核融合炉実現への貢献を目指しています。