2017年10月1日より金属材料研究所原子力材料工学研究部門の教授に着任した笠田です。
2018年4月より工学部機械知能・航空工学科量子サイエンスコースの3年生と、大学院工学研究科量子エネルギー工学専攻の大学院生を受け入れることになります。こちらのサイトに訪れてくれた学生さんは少しでも当研究室に興味を持って頂いたということで、大変嬉しく思います。
先ず、正直に申しますと、笠田研究室は始まって間もない研究室であり、皆さんが所属する時には先輩学生が居ない状態となります(現在所属している大学院生は前任の教授の下で研究を行っており、彼らも卒業してしまいます)。先輩から直接知識や技術を引き継げないのは研究を進める上で大変だと思う人も居るかもしれません。でも、考え方を変えると、新しい研究室を創り出すことができるという楽しみも生まれてくるのではないでしょうか。私自身も博士後期課程から京都大学に移り、新しい土地で新しい研究室の最初の学生として研究室の文化を作っていくのは大変なこともありましたが、総じて楽しいことだったと記憶しています。もちろん、笠田に加えて、春には着任するであろう新しい教員陣も全力でサポートします(少数精鋭!)。
さて、皆さんもご存知の通り、福島第一原子力発電所の事故を受けて、原子力業界は社会的に非常に厳しい状況に置かれています。私自身、東北や福島県に所縁のある人間として心を痛めているとともに、この業界に関わるものとして深い反省とともに、取るべきアクションを考え学び続ける日々です。原子力業界といっても、大学の研究はややもすると実際の社会の問題とは乖離しがちなところがあります。特に、私の専門である核融合炉材料工学については、数10年後の未来のエネルギー源である核融合炉に用いる材料に関する研究ということで、現在の社会との直接的な接点がほとんどありません(先行投資的に共同研究して下さる企業はあります!)。しかし、これからの日本で巨大科学である核融合炉の研究開発を進めるためには、自らの研究について社会と対話しながら考えていくことも大切なことだと考えています。当研究室では、このような社会的活動についても積極的に協力してくれるような学生さんもWelcomeです。
もちろん、研究をトコトン追究したいという学生さんも大歓迎です。当研究室では、「粉から作る耐極限環境材料」を自ら創りだす研究や、マイクロメートルよりも小さな材料強度試験に関する研究を始め、福島第一原子力発電所の廃炉への貢献を目指す基礎研究まで、材料科学や機械材料工学に関連する最先端の機器を駆使した研究が進められます。これらの研究は、原子力材料分野に留まらず、多様な機械・材料工学分野への応用展開も可能であり、皆さんの将来に対してもきっと役立つ経験が得られると思います。
ともに研究生活を過ごす仲間を求めています。是非一度片平キャンパスまで見学にお越しください。お越しの際には事前にアポを電話かメールにて取って頂くと確実です(メール推奨)。
電話:022-215-2067(秘書)
メール:r-kasada_at_imr.tohoku.ac.jp