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2006-2013

今までの更新記録 一覧


2014/7/17 コンサート情報

補助員より

7月から8月にかけて、コンサートが開催されます。

2014/7/22(火)12:10〜12:50 かたひらロビーミニコンサート(片平キャンパス 片平北門会館)

お昼の時間のミニコンサート

片平北門会館は、一番町から片平キャンパスの途上にある食堂「さくらキッチン」の西隣りの建物です。

演奏は、スイスから来日中のスイス・ロマンド弦楽四重奏団です。希少で贅沢なお昼の時間が過ごせそうです。

演奏曲目:
モーツァルト 『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』(全4楽章)
ブロッホ 『山にて』より「田舎の踊り」

主催:東北大学広報課社会連携推進室

 

2014/7/22(火)18:00〜 自修会企画コンサート(理学研究科合同A棟2階 エントランスホール)

夜の18時から、青葉山の理学部自然史標本館となりのエントランスホールで、コンサートが行われます。

お招きする「スイス・ロマンド弦楽四重奏団」、演奏者に日本人の粟野さんという女性がご活躍中とのこと。身近な場所でさりげなくプロの演奏が聴ける、またとない機会ですね。

席は先着順とのこと。主催:東北大学理学部・理学研究科自修会

プログラム
F. メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲 第1番 変ホ短調 Op.12
リヒャルト・シュトラウス:弦楽四重奏曲 イ長調 Op.2
エルネスト・ブロッホ:山にて
アントニン・ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲 第12番 ヘ長調 『アメリカ』
メンバー
第1バイオリン 粟野祐美子
第2バイオリン イネス・ラーデウィッグ・オット
ヴィオラ ヴェレーナ・シュヴァイツァー
チェロ ヒルマー・シュヴァイツァー

2014/8/9(土)19:00〜(18:40会場) 「パリ・オペラ座の名ピアニストを迎えて ―東北に寄せる音楽家たちの響演―」

パリ・オペラ座の花形ピアニスト・ベッセラさん、東北大学交響楽団の有志、日本フィルのヴァイオリニスト松本克己さんによるコンサートが行われます。

入場無料・予約不要・全席自由。

場所:宮城野区文化センター

第一部
第二部
詳細>東北大学理学部・理学研究科自修会

BSフジ『ガリレオX』に出演 「静粛に!法廷でぶつかる科学と法律」

補助員より

科学の多様な不定性プロジェクトメンバーの先生方(小林傳司,渡辺千原,本堂毅)が『ガリレオX』という科学ドキュメンタリー番組に出演されました。

(詳しい内容は更新履歴のページまたは制作会社さんによる紹介ページ。)

10月22日、取材クルーの方々が撮影と取材のため青葉山の本堂研究室にお越しになりました。放送は11月24日でした。

凝縮された30分番組、面白かったです。

それにしても全国へ取材に飛び、専門資料を読み込み、編集したり画像を作ったり、、、短期間のうちに一体どのように?という番組制作への驚きも大きかったです。いつか番組のメイキングも見てみたい気がします。

希望者にはDVDをお貸しできます。合同A棟302号室の大石までお気軽にお声にがけください。(お昼と金曜日は不在です。)お問い合わせ:sy826(あっと)mail.sci.tohoku.ac.jp


【科学観】についてのメモ

(2013/11/19)

とするなら
朝永振一郎,湯川秀樹,利根川進氏らのノーベル賞論文は,出版された時点でいずれも「ニセ科学」となります.

この三者とも,ノーベル賞論文の中で,自らの主張の怪しさ(不確実さ,深刻な問題をはらんでいることなど)を正直に記しています.(ノーベル賞論文で直接確認できます.)


オススメの読み物

(2013/9/19)

補助員からの通信

岩波書店「科学」の2012年7月号に、本堂先生の研究プロジェクトに関わりのある先生方が共著された「科学技術の不定性と社会的意思決定──リスク・不確実性・多義性・無知」(吉澤 剛・中島貴子・本堂 毅) が掲載されました。
PDFで全文を読むことができます。

その中の一文が、とある大学の入試問題の「国語」に使用されたそうです。

 

今秋には、2013年9月25日にはプロジェクト関係の尾内隆之先生,調麻佐志先生による編著「科学者に委ねてはいけないこと」というタイトルの本がに刊行(岩波書店)されます (詳しくはこちらのページ)。ちょうど読書の秋、読んでみようと思います。

食欲の秋でもあります。

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(2012/02/22)

君にもできるごまかし

ちょっと,生物統計学のテキスト(http://www.bun-ichi.co.jp//tabid/57/pdid/978-4-8299-2123-4/Default.aspx)を読んでいました.
この本の付録にあるのが君にもできるごまかし

などなど,ベタだけど,時々見かけるインチキ手法のオンパレードで,思わず笑ってしまいました.

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(2012/02/15)

ブラームスはお好き?

大学新入生への学生実験で,「科学と文化:弦の振動と音楽」というテーマを担当しています.
そう言うと,多くの方は「音楽を科学で理解しようとするのですね」と思うみたいです.

半分,あたりです。
でも,半分大間違いです。

ブラームスが好きな人がいれば,嫌いな人もいるでしょう.
ピアノ音楽が好きな人がいれば,やっぱり嫌いな人も…. 音楽に限らず,絵でも小説でも…人の好みは様々.

一方で科学は,好みによらない普遍的な真理を解き明かそうとする.

多様な価値観の集合体としての社会の中で,さらには,科学的な予測自体さえ容易でない場合に
どこまでが科学や科学者の役割でしょうか.

2012年3月25日に,日本物理学会年会でのシンポジウム「科学者の役割とは何か:不確実性の中での科学と社会」に参加します.

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(2007/12/07)

電磁波=音波?

今日の毎日新聞を読んで,驚きました.

いろいろオカシナ内容を含んでいるのですが,その中でも極めつけは,北海道大学大学院情報科学研究科教授・野島俊雄氏によるコメントです。 列車の中で携帯電話を使った場合,金属の車体で電波(マイクロ波)が反射される現象について,野島氏は以下のように述べています.

「理屈上では電磁波は反射するが,現実には反射のたびに列車の窓からもれたり,人が吸収するため,1秒もたたないうちに電磁波の影響はゼロになることが分かった」
だから,誤動作を起こすようなことはない,

とあります.皆さん,理解できましたか? 私は目がテンになってしまいました. 「1秒もたたないうちに」って1秒間に電波は何回反射され,重複で強められるか,まるで理解していないようです.

そこで,高校物理だけで解説してみましょう.電波は1秒間で地球を七回り半します.3億メートル走ります(光速). 電車の車体の長さは,おおよそ10メートル程度です.

だから,1秒間で(3億メートル)/(10メートル)=3千万回程度,反射されることになります.

要するに,野島氏のコメントは,3千回程度,電波が車内を駆け巡ったとき,電磁波の影響はなくなるから「電磁波の反射による影響は無視できる」 と言っているようです.

マイクロ波は目に見えず,イメージしにくいので,音波で考えてみます. 音の速さは約 300メートル毎秒です.

電車が10メートル程度だとすると,壁から壁に伝わるのに必要な時間は 10/300=0.03 秒です.

3千万回だと,0.03 x 30,000,000=約12日です.

この簡単な計算から,野島氏の主張を「音波」の世界に翻訳すると,その意味が分かりやすくなります.

「コンサートホールで,オーケストラが音を出してから12日間経ってみたら,もはや音が聞こえないことが私たちの研究で分かりました! だから,このコンサートホールの壁が持っている音の反射効果は,音響効果上無視できるんです!」

もちろん,これは実験可能です.サントリーホールに行って,実験してみるといいでしょう. 2週間ホールを借り切って,一瞬大音量を出します. そして,12日目にホールに入って,12日前の音が聞こえるか確かめてみるのです. 結果は,実験する必要もなく,明らかですね. 音が聞こえたら,それは幻聴か・・・さもなくば「ノーベル賞」でしょう!
# ご家庭のお風呂場でやっても同じです.

でも,上の事実が正しいからといって,「だから,壁の反射の影響は無視できる」と言ったら,トンデモナイ誤りです.なぜなら,この新聞記事のコメントは,音の世界に翻訳すると,こんなことを言っているのと同じだからです. 「コンサートホールの壁は,音を反射させる効果など殆どないから,反射のない牧場で演奏しても,その音響効果は同じです・・・」

オーケストラが屋外で,それも牧場で演奏して,コンサートホールと同じ響きになる?
本当だったら,音響設計家が激怒するでしょうね.私たちの苦労はなんなんだ!と.

今回の記事を,物理学科の同僚や学生さんに見せたら,みんな大笑いしたのは,いうまでもありません.

こんな記事が世に流布していることは,私たち科学者にとっても,市民にとっても不幸なことでしょう.

今回取り上げた野島氏のコメントに見られる科学的誤解は,光と同じ性質を持つ電磁波(電波)と音波の違いを正しく理解していないことから生じたのでしょう.
あるいは,違いが分かっていても,電磁波と音波の速さの違い(100万倍!)を意識できていないから,間違えたのでしょう. 電磁波関連のニュース・トピックスには,高校物理を知っていれば『卒倒する』ような解説で溢れかえっています.

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(2007/03/07)

タミフルと研究費(研究者倫理と背景)

タミフルの研究費に,利害関係企業の寄付金が使われていた事実が報道されている. これを受けて,政府が奨学寄付金に関する指針作りを行うらしい. http://www.asahi.com/politics/update/0330/009.html

この問題の背景には,公的研究にしめる「公的資金」が少なくなり, 競争的資金として「外部資金」獲得が奨励されている現状がある.

民間企業からの外部資金は,何らかの「目的」から支給される (でなければ,企業の支出は「背任行為」になるでしょう).

事実,利害関係団体から資金提供を受けた研究は,その利害関係団体 の主張に従った方向にバイアスが掛かることが,科学社会学の研究に よって判明している(New England Journal of Medicineなど,多くの 一流科学雑誌に,科学社会学的見地からの検証論文が掲載されている).

仮に,資金提供元の主張と異なる研究成果を出したなら,その後, 研究資金が断ち切られるでしょう.外部資金を断たれることが, 研究者をどれほど困らせるか….
# 出張旅費がなくて「自腹」を余儀なくされている研究者も少なくないのです.

 

「競争的研究環境」というシステムの下,外部資金獲得を余儀なくされて いる研究者は,中立性を要求される研究でどのような状況に置かれている のでしょうか?

JR西日本,福知山線の列車脱線事故の背景と比較・検討すれば, これらの問題が
「奨学寄付金に関する指針」という「ムチ」だけで解決出来る問題か, 明らかになるでしょう.
福知山線の運転手に「時刻を守れ・安全を守れ」と 強いたところで,
それが「無理なシステム」だったから,あのような事故が 起こりました.
だから,今回の事件は,私には氷山の一角に思えてなりません.

事実,私が関わっている電磁波の健康影響に関する研究でも リスクを評価する立場の政府委員(研究者)に,タミフルと同様の状況 (利害相反)があります.

これは健全な状況でしょうか?

「構造改革」という言葉がありましたが,不適切な「公的研究」を生み出す 「構造」を改革せずに放置している限り,根本的解決には近づかないと思います。

ヨーロッパでは,リスクに関する研究は,利害関係から独立した研究ができる ように,中立性が確保される仕組み(システム)が構築されています.そのため, 日本より遙かに質の高い最先端の研究が続々と行われています.REFLEX研究も その一例なのです.

# 公的研究には税金が使われている訳ですから,中立性(公平性)が確保され # なければ,税の無駄遣いになってしまいます.

研究の公益性に関しては,科学技術社会論(STS)からの科学社会学的分析 と議論も急務でしょう.

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(2006/03/06)

日本臨床環境医学会から,論文別刷りが届きました.

昨年7月,久留米で行われたシンポジウム講演をまとめたものです.

電磁場の生体影響に関する議論には,電磁気学の基本に対する「誤った理解」から,唖然とするような議論が(世間一般のみならず)専門家によっても繰り返されています.そこで,これら「反面教師」の発言を例にとりながら,電磁気学を含む物理学の基礎を考えてみたのがこの論文です.

「ニセ科学」批判というものがあります.真実の追究が研究者に対する社会的付託であるならば,「ニセ科学批判」を行うことは研究者として当然の義務です.むしろ,これを行わないことは,専門家集団としての「不作為」ともいえるでしょう.

しかし不思議なことに,これら「専門家たちのニセ科学」に対して
「ニセ科学批判」で著名な方々が(事実を知りつつ)目をつぶっている例があります.

学術会議の声明を引用するまでもなく,専門家は一般人よりより高い倫理(職業倫理)が要求されます.
専門家がニセ科学を行ったのでは,社会は成り立たなくなるからです.

「健全な」ニセ科学批判が必要です.

ニセ科学批判の二重基準(ダブルスタンダード),不作為の問題については,別の機会にじっくり考えてみたいと思います.

論文別刷をお読みになりたい方はご連絡ください.

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(2006/02/06)

今日の毎日新聞,「論点」に「科学者の不正行為」について一面で記事が載っている.

科学者の自浄作用が求められるのは当然だ.一方で,なにが「

不正行為」に走らせたか?

その「システム」を検証し,改善しないことには根本的な解決にはならない.JR西日本,福知山線の列車脱線事故が,一運転手の責任に帰せられるものではなかったことと同じである.

大学とはなにか? 公益性とはなにか? 基本から考える必要があるのではないか.

 

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