シリーズ 青葉山 78  ミヤマガマズミ 


 

 
間からスポットライトのように日の差し込む林。その光を受けて白い花が咲いた。


近づいて見ると、花粉を蓄えた葯(やく)が今にも破れそうに膨らんでいた。小さな花の集合体。強いにおいを発し、虫を引き寄せる。

 
花はガマズミそっくりだが、ミヤマガマズミは葉の先端が鋭くとがっている。葉の裏側の葉脈に沿ってのみ、毛が生えているのも特徴だ。

 

雌しべが受粉し、秋にはたくさんの赤い実が枝先を彩る。果実を求めて、鳥たちも辺りを飛び交うはずだ。

近くを風に乗って綿毛のような柳の種子が飛んでいる。柳絮(りゅうじょ)だ。

 
(河北新報社提供 初出 1991.5.21) 


ミヤマガマズミ
Viburnum wrightii Miq.
スイカズラ科

望洋台周辺などの明るい林内や林縁にふつう。

ガマズミと比べ、より高いところにも分布しており、花も少し早い時期に咲きます。秋にはガマズミ同様、その赤い実を鳥が好んで食べます。

→秋の日のガマズミ(赤い実)
→冬の日のガマズミ(青葉山 30)