シリーズ 青葉山 77  チゴユリ 


 

 
生地では、もう大半の花が枯れ始めた。

 

斜面を目で登ると、アオキの根元で6枚の花びらを付け、うつむいたように咲く"稚児(ちご)"を見つけた。

花の中心部をルーペでのぞいてみる。


 

そり返った柱頭を持つ雌しべ、黄色い花粉を付けた雄しべが取り囲んでいる。

 
チゴユリは、ハナバチ類などによる繁殖もあるが、ほとんどが地下根茎からの無性繁殖種だ。
花期後、緑色だった果実は初秋には黒紫色に変わり、一生を終える。
 

(河北新報社提供 初出 1991.5.20) 


チゴユリ
Disporum smilacinum A.Gray
ユリ科

市道青葉山−亀岡線周辺などの林床にふつう。

暗くなった林床にうつむき加減に咲く小振りの花。しかし、植物としては意外にしぶとい。秋まで葉を維持し、じっくり時間をかけて黒紫色の実をつくります。多年草ですが、今見えている部分のほとんどは今年限り。代わりに残るのが、地中に作られた娘個体(ラメット)です。親が小さければ、すぐわきに一つだけ。親が大きければ長くのばした走出枝(ストロン)の先にさらに一つつくられます。こうした栄養繁殖によって集団を広げていきます。