*和紙の原料として栽培されてきたのは、カジノキとヒメコウゾの雑種で、これが「コウゾ」と呼ばれます。栽培されていたものが野生化して人里近くに生育することもまれにはありますが、植物園ではヒメコウゾの自生だけが確認されているので、ここでは後者としました。
ややこしいことに、かつてはヒメコウゾのことを単にコウゾと呼んでいたこともありました。ヒメコウゾは雌雄同株でよく果実が実りますが、栽培系統の「コウゾ」はしばしば雌雄異株で、果実がほとんどできないことが多いようです。
ヒメコウゾからも繊維は取れますが、茎の太い「コウゾ」と較べると収量はかなり落ちます。