シリーズ 青葉山 37  ギンリョウソウ 

 

ちた倒木の下から、ギンリョウソウの白い姿が現れた。うろこのように全体を覆っているのは「りん片葉」と呼ばれる葉の退化したもの。腐生植物なので葉緑素を持たず、栄養は腐葉土に"外注"している*。

 

丈はまだ3センチほどだが、初夏、花が咲くころには8-20センチになる。5枚の花弁を重ね合わせた筒状の花を垂れるが、それも白色だ**。
 

 

和名は「銀竜草」。りん片葉に包まれた全体の姿を、竜に見立てて名づけられた。夏の暗い林内に白く浮き上がる様子から「ユウレイタケ」の別名もある。

 (河北新報社提供 初出 1991.3.22)


ギンリョウソウ
Monotropastrum humile (D.Don) Hara
イチヤクソウ科(最近の知見では、シャクジョウソウ科)

離山やモミノキ道など、コナラ林、モミ−イヌブナ林、アカマツ−コナラ林にややふつう。

* 腐生植物については、No.11 ホクリクムヨウランの注釈を参考に。

** 花期の写真