シリーズ 青葉山 34  コナラ 


 

ナラのドングリが発芽し根を下ろした。子葉(しよう)と呼ばれる栄養の「貯蔵庫」が陽光を浴びて真っ赤に染まっている。

 

やがて幼い茎を出すが、無事成長できるとは限らない*。葉が広がる夏の間、光が当たるかどうかが重要なカギだ。

コナラの落ち葉を裏返すと、アルマンコブハサミムシがいた。落ち葉は虫たちの「冬の宿」でもある。
この辺りには、ニホンリス**が出没する。ドングリはリスの大好物だが、難を逃れたようだ。

(河北新報社提供 初出 1991.3.18)


コナラ
Quercus serrata Thunb.
ブナ科

コナラ林の高木層、モミ−コナラ林とアカマツ−コナラ林の亜高木層で優占する。そのほかの林でも、明るい林内や林縁にふつう。 →もっと詳しい説明

* コナラのドングリは秋に散布され落ち葉の下に埋まります。リスやネズミによって運ばれ、食べきれないものが土の中に埋められることもあります。秋にすぐ根を出しそのまま冬越しします。春になると、茎を伸ばして通常4枚の葉を開きます。その場合、子葉は土の中に隠れたままで地上に出てくることはありません。この写真のように子葉が地上に出たままでは乾燥しやすくなるので、その後の生存には好ましくないようです。

** ニホンリス