シリーズ 青葉山 185  オオムラサキ 


 
 
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月下旬、朽ち木に止まっていたオオムラサキの雄(上)。風格ある羽を広げ、周囲を圧倒していた。

エノキの葉で、卵からふ化し、3回脱皮した「4齢幼虫」を見つけた。

甘い果実には見向きもせず、木を下り、根元の落ち葉に潜り込んだ。

 

春、幼虫は若葉を食べに木に登り、さらに脱皮をくり返す。

さなぎになるのは6月だ。
 

 
市街地からわずか数キロの豊かな森(下)。来年の夏も、あの華麗な舞いを見ることができるだろうか。
(河北新報社提供 初出 1991.11.25)

オオムラサキ
Sasakia charonda Hewitson
タテハチョウ科

幼虫は、中途半端な時期に羽化するのを避けるため、成長の速さを季節の進行にあわせることがしられています。幼虫のは大部分が4齢で越冬しますが、中には3齢で越冬するものもあるようです。摂食をやめるとしばらく動かなくなり、1-2週で体色が緑から褐色に変化、木をおりて越冬を始めます。春、樹上に戻った幼虫は摂食を再開し、2回の脱皮をへて大型の6齢幼虫となり、その後さなぎになります。