シリーズ 青葉山 110  オオムラサキ 


 

 

 

 
液を吸う、大型のチョウに出合った。オオムラサキの雄だ。ゆっくり羽を広げると、その表面は「幻色」と呼ばれる紫色の特異な光を放っていた。

とまっていたのは、
コナラの木。

クヌギやヤナギの 
樹液にもやって来る*。

 

 

ふだん渦巻き状の「口吻(こうふん)」は、伸びて4cmほどの長さに。その先端は樹皮の中へと入っていた。

 

雄は縄張りを主張する行動をとり、小型の鳥や他の昆虫を追いかけることもある。タテハチョウ科で最大。翅開張85mm。国蝶(こくちょう)。

 

 (河北新報社提供 初出 1991.7.29)

 

オオムラサキ
Sasakia charonda Hewitson
タテハチョウ科

生息地は平地や山地の雑木林、幼虫の食樹はエノキやエゾエノキですが、園内ではこれらの種の生育はまれです。そのためか、園内でオオムラサキを見たという確認はとれませんでした。

1枚目と3枚目の写真でわかるように羽の表裏で印象ががらりと異なります。メスにはオスのような紫色がなく地色は褐色ですが、オスより大型で貫禄があります。羽化は年1回、6月〜7月。

*樹液だけでなく、獣の糞(ふん)を訪れて吸汁することもあるようです。

 → 越冬前の4齢幼虫(青葉山185)