シリーズ 青葉山 180  ウリハダカエデ 


 

 

 
冬の2月、冬芽を堅くして春を待っていたウリハダカエデ*。赤い芽は5月に葉を広げ、そして今、色づいた。葉を落としたホオノキや、常緑のモミなどに囲まれ、ひと際目立つ。

紅葉の仕組みは面白い。葉緑素の分解で、もともとあった色素が目立ってくる黄色の紅葉。気温の低下で葉に閉じこめられた糖分が「アントシアン」という色素に変化した赤い紅葉。ウリハダカエデは2つの反応が複雑に作用し合い、微妙な色合いを見せる。カエデ科の落葉高木。

(河北新報社提供 初出 1991.11.18)

ウリハダカエデ
Acer rufinerve Sieb. et Zucc.
カエデ科

落葉高木。明るい林内にふつう

本州から九州の山地にふつうに見られるカエデで、黒い縦縞が入った滑らかな暗緑色の瓜肌状樹皮が特徴です。枝ぶりが良くないので庭木に使われることは少ないようです。

* → 2月のウリハダカエデ(青葉山20) / → 園内でみられるカエデの黄(紅)葉