シリーズ 青葉山 18  アキノキリンソウ 

 
当たりの良い水辺に立つアキノキリンソウ。昨年秋、黄色の花が枯れた後に、白い冠毛の付いた実がなり、風に乗って谷を飛んで行く。

空中を「遊泳」する新たな生命。湿った地面に落ち、そこに落ち着くもの、一度着地してまた舞い上がるもの、仲良く"ペア"で飛び去るもの…。

吹き抜ける風はまだまだ冷たいが、沢に差し込む光も、少しだけ柔らかになってきた。太陽の高度は、確実に上っている。

キク科の多年草。高さは60cmを越えることもある。類似種が多い。*

9月 


(河北新報社提供 初出 1991.2.12)


アキノキリンソウ
Solidago virgaurea L. subsp. asiatica Kitam.
キク科
見晴台周辺などの明るい林床にふつう。

* 種子は風に乗り、ユーラシア大陸に広く分布しています。海岸林から高山まで生態的にもさまざまな所に生き、種内変異のとても激しい種類です。普通は秋に散布されますが、このように親にしがみついたまま冬を越すものもあります。