シリーズ 青葉山 143  アキノキリンソウ 


 

 

日をいっぱいに浴びて鮮やかさを増した黄色い花は、アキノキリンソウ。

秋を代表する草花の一つだ。

種子が今にもこぼれ落ちそうな冬の姿を見たのは2月のこと*。

 

風に乗った銀白色の種子は、長旅の末、日当たりの良い新天地に無事たどり着いただろうか。

自由に移動できない植物は、自らの種の維持と拡大のため、風や昆虫などに依存して種子を運んでもらうものが多い。

 

日が沈む。小さな花は、黄金色からだいだいへと色を変え始めた。

キク科の多年草。

 all photos (c) Kahoku Shimpo.

(河北新報社提供 初出 1991.9.11)


 


アキノキリンソウ
Solidago virgaurea L. subsp. asiatica Kitam.
キク科

見晴台周辺などの明るい林床にふつう。

日当たりの良い山地にふつうに見られ、黄色の花が美しい代表的な秋草です。形態に変異が大きくいくつかの生態型に分化していることが知られています。開花期が遅いので訪花昆虫相は寂しく、植物園内の個体で以前に調べられた時にはアブとガガンボの仲間の訪花が観察されただけでした。

* → アキノキリンソウ(青葉山18)