シリーズ 青葉山 162  ツリフネソウ 


 

 

 
辺を好んで咲くツリフネソウ。

 

フグちょうちん、金魚、楽器のホルンなどと、想像をかき立てる手の込んだつくりの花だ。


花の中をのぞいた。上から突き出ているのは、束になった雌雄の「しべ」。吸蜜(みつ)しようと潜り込んだマルハナバチの背中に花粉が付く仕掛けだ*。

果実に触れると、パチンとはじけた。飛び出た種子の威力はすごく、直撃されたマルハナバチが墜落することも。

 

ツリフネソウ科の一年草。

(河北新報社提供 初出 1991.10.25)

ツリフネソウ
Impatiens textori Miq.
ツリフネソウ科
本沢などの湿った草地にふつう。

湿った場所を好み、沢沿いに群生します。台風などで大雨が降ると数が激減することがあり植物園の本沢でも非常にたくさん咲く年とあまり咲かない年があるようです。

* 植物園では主にトラマルハナバチが訪れます。訪花する度に雄蕊や雌蕊に背中がこすられて、ハチの背中の毛は筋状にはげてしまいます。このためツリフネソウを訪れているトラマルハナバチは容易に見分けられます。