シリーズ 青葉山 158  クサギ 


 

 

 
くつキツネのお面が作れるだろう。すっかり道を占領したホオの大きな葉を踏みながら歩く。

 

赤紫色の星形の萼(がく)、あい色の実、そして緑の葉、強烈な彩りが目に飛び込んできた。クサギだ。
花を開き始めたのは7月下旬。


花粉の媒介は、アゲハチョウに頼る*。和名の「臭木」の通り、独特の悪臭を振りまいていた。害虫からの防衛策なのだろうか。

しかし、今ではそのにおいもほとんどない。

クマツヅラ科の落葉低木。

(河北新報社提供 初出 1991.10.21)

クサギ
Clerodendrum trichotomum Thunb. ex Murray
クマツヅラ科
市道青葉山-亀岡線沿いなどの林縁にふつう。

果実は鳥に食べられ、排泄された種子は森林の土壌中に休眠状態で蓄積されています。山火事や森林伐採などで森林が破壊されるとこの土壌中の種子が発芽し、真っ先に大きくなる先駆植物です(同様の樹種にイイギリ)。

* 訪花昆虫は主にアゲハ類(カラスアゲハ、クロアゲハ、オナガアゲハなど、どういう訳か黒系のアゲハが多いように感じます)ですが、ときどきジャノメチョウやタテハチョウの仲間も訪れます。

  → クサギの花